2013年5月13日月曜日

絶対に後ろをふり向いてはいけない石切り場跡



GW連休中、2日間を鎌倉遺構探索に費やしましたが、鎌倉中心部の引く程の混雑ぶりを避け、主に金沢と逗子方面にくり出しました。 今回は中でも神武寺の石切り場跡での印象的な出来事をここに書き記します。



神武寺の裏山は、お隣の鷹取山同様に、大々的な石切り場跡となっていて、崖面が急峻になっていたり、切り出されたと思われる巨石がそこら辺に転がっていたりします。 神武寺には2011年に一度来ましたが、未だ当時は鎌倉遺構探索初心者であったため、よく分からない部分や見逃してしまった遺構がいくつかありました。

その見逃してしまった一つに、今回取り上げる巨大な石切り場跡があります。やぐらなどの遺跡ではなく石切り場跡だと分かっていながらわざわざ行くのは、その石切り場跡がとてつもなく巨大な石切り場跡だそうで、とにかく見るだけ見てみたいと思ったからです。




神武寺での探索を一通り終え、裏参道を下ってその石切り場跡を目指します。どうやら山裾にある老人ホームの庭となっている敷地内奥にその石切り場跡はあるようです。 丘陵部を少しだけ登ると、なんか大きいモノが見えてきました。どうみても私が見たかったと思っていた石切り場跡であるのは一目瞭然です。



この大きさが写真で伝わるでしょうか、高さは10mぐらい、横幅は25mプールぐらいはあるように思えました。 鎌倉にも名越や鷲峰山などに、大きめの石切り場跡がありましたが、ちょっとこの神武寺のものは格別で、キチッと四角形になっているところがミソです。



大きさもさることながら、雰囲気が結構あります。ちょっとした廃墟のようです。上から水が雨漏りのように所々で落ちてきていて、静寂の中に「ぴちゃっ・・ぴちゃっ」と水滴の落ちる音だけが響いています。
というか、今日は日焼けした程に快晴だったのに、ここだけまるで別世界。



写真は明るく修整しました。何かが見えたりでもしたら一大事なので、現場ではフラッシュは使用しませんでしたw
正直言うとちょっとこの時点でビビッっていたのは否めません。
とりあえず、向こうまで行って一往復ぐらいはしようと思った矢先・・



えっ~??
お供えものがしてあるんですが、どういう事でしょう。
ただの石切り場跡じゃないんでしょうか・・
いきなり出鼻をくじかれましたが、まぁ出入口は大きいし、何かあればすぐ出ればいいからと、自分を励まし向こうの壁に向かって歩きだしたところ・・
今度は壁一面に何やらこれまた大きな文字が彫られていることに気付きます。



一文字の大きさがそうですねェ、だいたい成人男性の胴体ぐらいはあるんじゃないでしょうか。結構迫力あります。この短歌や俳句などで使われるような字体、何ていうんでしょう。暗闇で見るからか、既にちょっとビビッているからか、不気味な字体に思えてきます。



何行かに渡って文字が彫られていて、ちょっと読みづらいので、読める部分だけ読んでみました。ちなみに、緊張してきた場を和ますために、画像の番号にパンダさんの絵柄を使用しています。

①ふり向・・
②うしろふり・
③みえる・・

「ふり向 うしろふり みえる」・・
「後ろをふり向くと何かが見える・・」ということだろうか?
という解釈の結論に至った瞬間、私の脳内では、振り返るとそこに化け物がいるというホラー映画でよくある定番シーンが思い浮かんできました。

その時っ!頭上に冷たい感触がっ!

と思ったら天井から落ちてくる水滴でした・・
あまりのタイミングの良さにビックリ。

とにかく、映画じゃないんだから後ろに得体の知れない何かがいる訳なんてないじゃん!と自分に言い聞かせながらも、私は後ろをふり向くことなく、この石切り場跡をそ~っと抜け出しましたw



一体あの彫られた文章は何だったのでしょう?

もしかしたら本当に後ろをふり向いていたら、何かが見えたのだろうか・・

釈然としない気持ちで、この場を離れようとしましたが、この石切り場跡がある老人ホームの敷地入口に「池子石の石切り場跡」という案内板が設置されているのを発見しました。



(画像は老人ホーム敷地内に飾られていた大量の鯉のぼり。石切り場跡と全然違う雰囲気に和まされた。)

案内板によると、ここは主に明治~大正時代に活用された石切り場跡で、切り出された石は逗子市内の石塀や寺社の石段として使われていたといったことが記されてあります。最後に、先ほどの石切り場跡に彫られていた文字の事にも触れていて、何とあれは俳句だそうで、「ふり向けば うしろにも居り みちおしえ」と記されているそうです。当時の職人さんが遊び心で彫ったようです。
私が読んだのと全然違いますね・・
何一人で勘違いしてビビッていたのでしょうか。恥ずかしくなりました。
ちなみに「みちおしえ」とはハンミョウという虫で、人の歩く先に止まる習性があることから由来する別名だそうです。
まぁとにかくこれにて一件落着でスッキリ。
という事で、普段の鎌倉遺構探索とは一味違う経験をしたというご報告でした。
お粗末さまでした。



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<鎌倉日記>「絶対に後ろをふり向いてはいけない石切り場跡」
探索期間 2013年5月~
記事作成 2013年5月13日


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