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山号寺号 龍口山本蓮寺
建立 嘉元二年(1304)
開山 日秀
開基 -
本蓮寺縁起
本蓮寺(ほんれんじ)は、龍口寺輪番八ヵ寺の一つで、藤沢市片瀬に所在します。『かまくら子ども風土記』によると、595年に高句麗から来た僧で、聖徳太子の師である恵慈の弟子の義玄が開山と伝えています。元暦元年(1184)には源頼朝が再興したと伝えられており、当時は真言宗のお寺で弥陀山大御堂源立寿寺と号していたそうです。そして嘉元二年(1304)日秀が日蓮宗に改宗させ本蓮寺となりました。それにしても595年って・・この土地には凄い歴史のあるお寺があったようです。あと聖徳太子に師匠がいたのも初耳です。
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本蓮寺旧蹟
本蓮寺には、西行が片瀬・江ノ島道を通った逸話を伝える西行戻りの松を表す碑と、頼朝が馬をつないだと云う鎌倉殿駒牽の松(かまくらどのこまつなぎのまつ)、宗尊親王が本蓮寺に立ち寄った際詠んだと云われる歌を刻んだ碑があります。宗尊親王の歌とは、将軍職を廃され京都に送還されるときにここに立ち寄って詠んだものと云われています。
「帰りきてまた見ん事も固瀬川 にごれる水のすまぬ世なれば」
「にごれる水のすまぬ世なれば」の部分の意味が深そうです。どちらにしろ、宗尊親王の不本意な心情が伝わってくることだけは確かですね。
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釈迦多宝塔
何か高い所にまた建物が見えるので、地上部より一段高い平場となっている現代の墓地部分を通って近づいてみました。釈迦多宝塔と云うそうです。柵があって近づけないようになっています。遠目からは年代物っぽく見えたのですが、どの資料でも触れていないので、古建築ではなさそうです。が、とっても威厳があって立派な塔です。お盆の3日間だけ公開すると風土記にありました。
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釈迦多宝塔 |
片瀬・江ノ島道
本蓮寺の前面通りは、片瀬・江ノ島道と云って近世では東海道と江ノ島・腰越方面を結ぶ街道でした。また、西行がここを通ったことからも、中世からある旧鎌倉街道でもあります。現在の道幅は街道だったとは思えぬ狭さですが、近世の道標が結構残されていて、その歴史が伝わってきます。さらにここにあった元々のお寺の開創が595年ということからも、古代からここに道が通っていたと考えてよいのでしょうか。
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旧鎌倉街道 片瀬・江ノ島道 |
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道標 |
境内は手入れが行き届いていたためか、古そうな石塔が見当たりませんでした。近世では徳川幕府からも寄進を受けたようで、三つ葉葵の紋が表門に掲げてあります。
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所在地 神奈川県藤沢市片瀬3-4-41
最寄り駅 湘南モノレール 湘南江ノ島駅
より大きな地図で 江ノ島・腰越 を表示
探索期間 2014年4月
記事作成 2014年4月22日