2014年8月1日金曜日

十二所満喫堪能コース


十二所は鎌倉旧市街地の中でも最も旧態地形が残された魅力的なエリアです。往時では大慈寺・一心院・生楽寺・能満寺・日輪寺・月輪寺などの寺院が存在していたと云われています。なかでも月輪寺があったと推測される御坊ヶ谷(下地図画像④)から奥はジャングルかとツッコミたくなるほどの旧態地形が残されています。逆に旧態地形すぎてわからない部分もあり、あまり整備されていないためか足元もかなり悪いです。でもそのあまり「開発されてない感」が素敵です。下地図画像は、今回行った私の十二所堪能コースで、番号は行程順路でもあります。

Google map 十二所堪能コース
①光触寺 ②大江稲荷社 ③十二所神社 ④御坊ヶ谷 ⑤馬場 ⑥お塔の窪やぐら ⑦北条首やぐら ⑧ハイキングコース分岐点 ⑨霧ヶ沢コース ⑩大江広元墓 ⑪やぐら ⑫明王院 ⑬明石橋

十二所満喫堪能コース


鎌倉駅からバスで金沢八景駅行き・太刀洗行き・鎌倉霊園行きのいづれかに乗車し、十二所で下車すると光触寺のある谷戸の目の前となります。明王院に行きたい場合は泉水橋、朝比奈切通なら十二所神社で下車すると近いでしょう。途中、報国寺浄妙寺の最強禅寺タッグが控えているので、時間が遅かったり鎌倉散策に適した時期であればバスは混雑するので覚悟して行ってください。

十二所停留所付近

光触寺(地図画像①)大江稲荷社(地図画像②)十二所神社(地図画像③)と進みます。十二所神社は十二所の鎮守です。もとは光触寺境内にありました。今日の鎌倉遺構探索の安全をお願いしておきました。

光触寺のある谷戸
光触寺
六浦道沿い 光触寺と大江稲荷社の間ぐらい
十二所神社

御坊ヶ谷


御坊ヶ谷(地図画像④)は月輪寺があったとされる谷戸です。ここから天園ハイキングコースにアクセスする間道を行きます。

御坊ヶ谷 御坊橋

住宅街を抜けるとすぐに緑地地帯となります。(地図画像⑤)自然が残されすぎていて気軽なピクニック気分では向かえません。でもとっても素敵な所です。途中、川の水があまりにも増水しているとその先へ行く事ができません。藪の中に隠れた迂回路を進む気概があれば大丈夫ですけど。

ちょっとした平場
川の水に緑が映りこんでいてちょ~キレイだった
人の手が加わった切岸と自然の鎌倉ならではのコラボ景観

鎌倉期の石塔が安置されているお塔の窪やぐら(地図画像⑥)を過ぎ、天園ハイキングコースに向かいます。この道は昔の十二所地誌に間道と記されているそうです。それにしてもこの荒々しさ・・ どうしてここは整備されなかったのでしょう。別に整備してほしいという訳ではなく、この整備されていない昔のままのような道にちょっと感動します。やぐらがあることからも鎌倉時代からあった道と考えていいのかもしれません。

お塔の窪やぐら
んんっ・・ 夏はほぼジャングル 
コースを外れている訳ではありません ここを歩くんです
ゴツゴツした坂道 江戸時代から変わってないような感じの道

北条家御一門御廟所道


天園ハイキングコースに出て、北条首やぐら(地図画像⑦)に向かいます。瑞泉寺がすぐ下に所在しています。この辺りは球体の上にいるような丸みを帯びた尾根が特徴です。北条首やぐらは瑞泉寺に近いんですが、鎌倉市教育委員会の調査報告書には月輪寺のやぐらだとありました。地図で確認すると確かに御坊ヶ谷からそんなに遠くないんです。

北条家御一門御廟所道
北条首やぐら 色んな浮彫が施されている

以前にこの辺りで石塔の欠片が埋まっているのを見かけたことがあります。なんて思いながら歩いていると、なんと、1mぐらいの塚状がありました。たぶんこれが土饅頭とか云われているものなのかもしれません。瑞泉寺といい月輪寺といい、これだけやぐらが完備されているのにわざわざ塚で葬られた人がいたのだろうかと不思議に思いました。まぁそもそもこれが塚なのかどうかもわかりませんが、ちなみに『新編鎌倉志』の首やぐらの項で「首塚」と出てきます。

塚状 


もうひとつの間道


御坊ヶ谷から天園ハイキングコースにアクセスする道がもうひとつあります。こちらにもやぐらがあって、山水が流れる水々しい先ほどの間道と似た雰囲気です。(地図画像⑨)


分岐点


天園ハイキングコースを伝い瑞泉寺の真裏に来ると胡桃ヶ谷を眺めることができます。(地図画像⑧)また、鎌倉で最も美しい掘割がこの辺りにあります。鋭利に掘り割ってる感がとても美しいと思います。掘割フェチの方ならたぶん同感してくれると思います。まぁそんな奇特な方がいるのかどうかわかりませんが。

瑞泉寺裏山から見た胡桃ヶ谷 往時では大楽寺があったと伝わる
たぶん鎌倉で一番美しい掘割

大江広元墓


分岐点から大江広元の墓(地図画像⑩)を経由して明王院に向かいます。途中に掘割状というか土地の落ち込みがいくつかみられます。石切り場だった可能性が高いと思われますが、道跡の可能性もあるのでしょうか。この辺りに稲荷小路という字名が残されていますがどの辺りだったんでしょう。

ハイキングコースから見た落ち込んだ地形
伝大江広元墓 いつ見ても素敵 このアングルが一番格好いい

新たな?やぐら発見


広元さんのお墓にお供え物がなかったので、そばにあったワンカップ大関の空き瓶に残りわずかな麦茶をおすそ分けしました。すると、どうしたことでしょう。明王院の方向とは違ういつもは藪に包まれていた箇所に道筋が見えるじゃぁないですか。面白そうなのでその道を行ってみました。(地図画像⑪)

行っちゃダメとは書いてない(笑)

しばらくすると堀切を発見!これは鎌倉の尾根道で結構見るサイズのものです。掘割が交差したのか、それとも何処かと何処かのお寺の境界線でしょうか。

堀切

そろそろ尾根道も終わりかと思ったところ中腹になにやら別の道筋が見えたので行ってみると、やぐらを発見!こんな所にやぐらがあるなんて聞いてないんですけど。しかも結構あります。20基ぐらいでしょうか。場所的には胡桃ヶ谷の入口部分に近いのので、たぶん公方様の御所に関連したやぐらかもしれません。私が見落としただけかもしれませんが、ここにやぐらがあると記されている資料を見たことがありません。ただもちろんここにやぐらがあるのは市は把握しているでしょう。それにしても今更ながらこんな発見ができるなんて、興奮しました。鎌倉ってホント楽しい。っていうか鎌倉っていつまで私の心を掴んで離さないんでしょか。

御所やぐらと命名した
緑で隠れているけど壁面全てにやぐらが並んでいる

明石


新たなやぐら発見という思わぬ収穫に興奮を抑えられないままハイキングコースを下り明王院前に出ます。(地図画像⑫⑬)ハイランド入口となる明石橋には私が鎌倉に通い始めた2011年ではガソリンスタンドがありました。そして翌年にコンビニに変わりました。鎌倉にはコンビにがあまりないのでコンビニの有り難さが身に染みます。しかもミニストップなので店内で飲食もできます。私の十二所探索には欠かせない拠点となりました。

ハイキングコース出入口から見た明王院
明石橋付近



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探索期間 2014年7月
記事作成 2014年8月1日

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