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岡本
大船にある岡本神社は龍宝寺・諏訪神社・玉泉寺のある丘陵部の一画に所在しています。岡本とは「台地(岡)の下(本)に開かれた土地」の意です。古くは平安時代に既に高座郡岡本郷という地名が確認されています。ここ岡本・玉縄から長尾台までを含む広大な地域を指していたそうです。
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Google map 大船 ①大船駅 ②大船観音 ③岡本神社 ④山居(栄光学園) ⑤諏訪神社 ⑥龍宝寺 ⑦玉泉寺 ⑧七曲坂 ⑨玉縄城主郭跡 ⑩大船フラワーセンター |
岡本神社縁起
なんと、岡本神社は天慶元年(938)建立という結構古い史跡です。しかも大船・村岡周辺で必ず名前が出てくる平良文がここでも創建に関与しているようです。別名をお伊勢山神明神社と云い、下社と奥社で構成されていたと現地案内板にありました。中世末期に玉縄北条氏に一旦は解体されてしまいましたが、平成10年に再建されています。現在鎮座する岡本神社は下社部分で奥社は尾根道を伝った山居(地図画像④)にあったと風土記にあります。
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岡本神社 |
岡本神社境内
岡本神社は丘陵部にあります。入口となる平地住宅街には案内板などが何も設置されていません。いつもは山に入ってから使用するGPSを仕方ないのでこの時点で立ち上げると2回ほど通り過ぎた辺りが入口だということがわかりました。「そこが入口だったんかい・・」とツッコミたい気持でいっぱいでした。
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岡本神社入口・・ |
住宅街奥から階段を登っていきます。途中に謎の横穴が施されています。何でしょうねコレ。そして丘陵頂部に社殿があります。周辺の住宅街を見下ろすような景観が眺められ、さらに大船観音が見えました。
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階段途中にあった横穴 |
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頂部社殿のある平場 中央奥やや右に大船観音が見える |
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社殿からの景色 |
旧参道
神社が丘陵の高い場所にあるので境内奥からすぐに尾根道となっています。案内板によれば、下社部分から奥社までの道のりは創建当初からの参道だったとあります。ですからこれから行く尾根道は平安時代からあったことになるようです。予想外の古過ぎる歴史にテンション上がります。奥社部分(地図画像④)は学校が建てられてしまったため存在しませんが、当時の参道を偲ぶ尾根道探索に向かいます。
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旧参道 |
しばらく行くと尾根道より下方に遠目ながらも平場が確認できます。何かがあそこにあったんでしょうね。
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下の方に平場が見える |
そして何とも素敵な切通しが現れます。しかもちょっと複雑です。切通しの上も歩けるようになっていて何かその時代時代で施された道が重なっているようにも思えました。切通しの形状は「掘り割ってる感」がちょうど良くかなり美しい状態です。さらに途中でかなりの角度で曲がってくれる辺りもたまりません。
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この切通しの辺りから進行方向とは別に下りていける道筋がありました。周辺の地形からは先ほどの平場との関連性がみられます。これら造作にどのような歴史があるのでしょう。
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切通しゾーンを抜けてしばらく行くと学校のグランドにぶつかります。ここが終点で往時の奥社位置近辺だったと思われます。ほんの少しの参道でしたが、平安時代からある尾根道かと思って歩けるのが素敵だと思いました。
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終点 このすぐ先は学校のグランド |
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探索期間 2014年9月
記事作成 2014年10月5日