2015年7月17日金曜日

荒崎シーサイドコース


三浦市にも近い横須賀市長井の海岸線をめぐるコースです。さらに荒崎公園から長浜にかけてシーサイドハイキングコースが設定されています。自然を満喫しながらも史跡めぐりもできる素敵なコースです。

Google map 長井

仮屋ヶ崎


国道134号から海岸線に向うと、仮屋ヶ崎という場所があります。大和から海に流された観音さまがここ三浦市初声に流れ着いたという長谷寺の縁起を覚えているでしょうか。なんとその観音さまの流れ着いた場所がここ長井の仮屋ヶ崎と呼ばれる辺りなんだそうです。そしてその流れ着いた観音さまの仮屋をひとまず作ったことからその名の由来となったようです。

仮屋ヶ崎の辺りから眺めた景色

大和長谷寺から観音様が三浦半島まで海に乗って流れてくるというよくあるファンタジーな伝承ですが、本当に観音像がここまで流れ着くのかどうかは別として『房総・紀伊半島の類似点と三浦一族』の記事でも触れたように、黒潮に乗って紀伊半島から房総半島へ漁師が移動している歴史がみられることからも、この黒潮の航路について言及している伝承なのかとふと思いました。

長谷寺十一面観音

不断寺


しばらく進み長井漁港市場の手前に不断寺があります。不断寺は鎌倉笹目にあった執権経時のお寺が移転してきたものと伝わっています。経時の供養塔が往時の裏山部分にひっぞりと佇んでいました。

不断寺

長徳寺


『三浦半島の史跡みち』では取り上げられていませんでしたが、長徳寺というお寺、三浦半島に来てから何軒目でしょう。長江の長徳寺(廃寺)・堀内の長徳寺、そしてここ長井の長徳寺と、これで三社目です。一家に一台ならぬ一地域に一社といった感もあるこの寺号、どうしてこんなにあるのかと立ち寄らずにはいられませんでした。ここ長井にある長徳寺は、寺縁起によれば、行基が開いたという古刹で、文明年中(1469~1487)に念という足利義量の家臣だった人物が住していたそうです。縁起に何故か平安・鎌倉期がスッポリ抜けていましたが、御霊神社が隣接しています。記録を失ったのでしょうか。不断寺と同じくこちらも裏山は宅地開発によって失われています。

長徳寺に隣接する御霊神社

長井港市場があるので、海岸線から海を眺めると漁船が絶えず走っています。名前はわかりませんが下画像の黄色い花、キレイですね。しかもこれでもかっ!てぐらい植えられていました。しばらく進むと熊野神社が近づいてきます。


熊野神社


熊野神社って山奥ってイメージを持っていました。実際にも鎌倉では朝比奈峠や浄妙寺などそんな感じですよよね。こちらの熊野神社は海が目の前です。

熊野神社からの景色

7月15日の祭礼日に江戸末期に房総の出稼ぎ漁師によって長井村に伝えられたと云われる飴屋踊りが奉納されるそうです。昔から長井の漁業者から信仰を集めているそうです。

熊野神社

長慶院


熊野神社から進んだバスの折り返し地点を奥に行くとあるのが長慶院です。長井観音堂・もしくは荒井観音堂とも呼ばれる長慶院は、民家と民家の隙間を入った先にあります。観音堂と数えるほどの墓があるだけのとても狭い境内です。存在感があまりにも控えめなため、私は見つけられず一回通り過ぎてしまいました。この観音堂には江戸南画家の谷文晁が描いたとされる天井画が残されています。観音堂の側面がガラス張りなので一応その絵をガラス越しに見ることができますが、あまりよくわかりません。

観音堂の天井画 ガラス越しに撮影しています

鈴木家長がここ荒井に移住し、父重家のの菩提を弔うため、建久三年(1192)に長慶院を建立し、近接する住吉神社や先ほどの熊野神社も鈴木家長が勧請したものと伝えられています。家長の父鈴木重家は源義経の家臣です。どのような縁があって三浦半島に来たのでしょうか。

長慶院観音堂

荒崎公園


荒崎公園(長井城跡)は長井五郎義李の館跡、もしくは三浦荒次郎義澄の城跡と伝えられています。丘陵から眺める岩浜と海の景色がたまりません。海岸線にいくつも開口する海蝕洞も雰囲気を盛り立ててくれます。

荒崎公園
荒崎シーサイドハイキングコース 現地案内板より

海岸線を伝ってそのまま長浜まで行けます。長浜には古墳時代横穴墓が崖にあるそうですが、私は見つけられませんでした。岩浜と違って砂浜ってとっても歩きづらいんですね。せっかくの横穴でしたがあまりの歩きづらさに諦めてしまいました。

長浜

京急の観光マップを見た限り、ソレイユの丘は小さな子どものいる家族に適した施設のようです。丘というだけあって海が遠目に望めます。ということで荒崎シーサイドコースでした。全体的に史跡の密度は高くありませんが荒崎公園は個人的にお勧めです。

ソレイユの丘



カテゴリー 探索記事(エリア別 横須賀
記事作成  2015年7月17日

『荒崎シーサイドコース』関連記事


長谷寺

736年に建立された古刹には十一面観音像や弁天窟など見所がたくさん!

房総・紀伊半島の類似点と三浦一族

房総・紀伊半島にみられる多くの類似点と三浦一族の関係は?

不断寺

もとは鎌倉の執権経時の屋敷内にあったと伝わるお寺

長井城跡 ~荒崎公園

長井義李の館跡・三浦義澄の城跡とも伝わる海の公園。

鎌倉遺構探索 横須賀編

5月~6月の間に訪れた横須賀市内の史跡をまとめました。

三浦氏系図

三浦氏の系譜を三浦半島の史跡と共に紹介

横須賀市関連記事


大矢部地区

なぜ三浦為通は衣笠を拠点に選んだのか?

大善寺 ~衣笠城跡

伝説の衣笠城は城郭か?聖地か?

満昌寺

三浦大介義明の追善供養のために建立されたお寺。

清雲寺

三浦一族の邸跡か?城郭を匂わせる地形が魅力。

薬王寺跡

和田義盛が創建した寺院跡は矢部館跡とも伝わる。

満願寺

三浦佐原家の菩提寺は素敵な禅寺の様相。

猿島

日蓮洞穴や旧日本軍の要塞施設が現存する島

佐島・天神島

三浦一族の和田義盛・芦名為清などに由縁する史跡が集中する地域。

津久井

三浦一族の津久井義行の邸跡・峯屋敷

鎌倉遺構探索リンク