2019年4月27日土曜日

小湊誕生寺


小湊


今回訪れた誕生寺は、房総半島の東海岸にある小湊に所在します。日蓮の直弟子・日家が健治二年(1276)に日蓮の生家跡に堂宇を建立し、高光山日蓮誕生寺としたのが始まりとされています。その後、明応・元禄の地震と津波により、移転を余儀なくされ、現在地に移り、小湊山誕生寺と改められました。

Google map 房総半島
①御宿 ②勝浦 ③小湊 ④天津 ⑤鴨川

今回、同時に御宿の最明寺、勝浦の遠見岬神社と訪れてきましたが、全ての史跡に津波の被害が伝えられていました。海の近くに住むって誰もが憧れると思いますが、それはそれで命の危険を伴うリスクのあることがこれらの歴史からも伝わってきます。

小湊漁港と誕生寺のある丘陵

国道128号線から日蓮交差点を入ると誕生寺周辺となります。交差点の名前が日蓮交差点ですよ、誕生寺入口ならわかりますけど。周辺は飲食店などが建ち並ぶ観光地となっていて遊覧船まであります。天然記念物の鯛の浦として有名だからなんだそうです。


誕生寺境内


事前にオフィシャルHPの境内案内を見たときは、あたかも山を登るように伽藍が連なっているような、もしくは裏山を堪能できるような、そんな雰囲気に思えましたが、実際に現地に来てみると想像とは大きく異なり、平場に伽藍が建ち並んでいるだけの境内でした。裏山を堪能できるお寺だと思って来たのでそこがちょっと残念でした。

誕生寺境内案内図

下地図画像の③妙ノ浦の辺りが元々誕生寺があった場所だとありました。それに気付いたのが帰ってからだったのでこれまた残念で仕方ありません。しかも遊歩道が整備されていて簡単に行けるそうです。海岸沿いに弁天島があってそこに鳥居が建てられているみたいです。

Google map 誕生寺
①日蓮交差点 ②誕生寺 ③妙ノ浦(蓮華ヶ淵)


誕生寺


それでは誕生寺に向かいます。何の変哲もない新しい燈籠ですが、これだけの数を並べると壮大です。さらに松の木が素晴らしい画となり、やがて立派な仁王門が現れます。たぶんここがクライマックス。

誕生寺
誕生寺仁王門

仁王門をくぐるとまたまた燈籠の列が並び豪華絢爛な祖師堂へと続いていきます。

誕生寺
祖師堂

祖師堂を過ぎると龍王堂、道を挟んだ向こう側に本堂などがあります。本堂の方が地味なので「あれっ」となりますが、日蓮宗寺院はだいたい祖師堂が豪華ですよね。鎌倉の妙本寺も池上本門寺も。

龍王堂
本堂


鯛塚


鯛塚というものがありました。鋸南町でクジラ塚(鯨塚と大黒山)を見にいったのでちょと興味が惹かれます。石塔は古くはありませんが、元々あったのものを新調したのだと思います。生活の糧とはいえ、獲ったお魚を弔うなんて、昔の人も優しい一面があったのだと、どこか”ほっこり”できる史跡です。

鯛塚


誕生堂と太田堂


丘陵部寄りに誕生堂があります。日蓮と日蓮両親の座像が置かれています。

誕生堂

誕生堂の一段高い平場にあるのが太田堂。太田新六郎康資が太田家の守護神とした太田稲荷大明神が祀られています。社殿向拝は三代目伊八の武志伊八郎信美の作品です。初代伊八の作品だと言われても遜色のない出来栄え。

太田堂の向拝
太田堂の向拝

向拝の装飾には裏側もあることを現地の方に教えてもらいました。房総にて波の伊八の作品をいくつか見ましたが、今まで一切裏側なんて見てきませんでした。もったいない。「もっと早く教えてよ」と今出会ったばかりの人に愚痴をこぼさずにはいられませんでした。

向拝裏側

太田堂から内浦湾の小湊漁港を眺めることができます。

太田堂からの景色


小湊神社


境外にあった神社です。日蓮交差点という名の交差点があるぐらいですから、日蓮神社かと思ったら、こちらは普通に小湊神社と云うそうです。

小湊神社


あとがき


一人で出かけるときは時間がもったいないし大して食に興味がある訳でもないので落ち着いて食事をすることはまずありません。しかしこの日は珍しくお腹が空いたうえに美味しそうなお店があったので寄ってみました。刺身定食に追加で”なめろう”を注文したところ、とても美味しかったのですが、なめろうはやはり家庭料理なのでしょう。昔に館山の人になめろうを作ってもらいましたが、信じられないぐらい美味しかったのを覚えています。ちなみにインスタとかやってる人みたいにメニューまで写真を撮ったりはしないのであしからず。

小湊の風景

それから、昨年から結構な頻度で房総半島に訪れていますが、こちらでは駐車料金という概念がないのかと首を傾げるほど駐車料金を払った記憶がありません。しかしここ小湊で初めて駐車料金を払いました。駐車料金を払うのは当たり前だし、大した金額でもないけど、房総半島でこれまで有料の駐車場に出会ったことがないだけに、なんか損した気分になりました(笑)。



史跡住所  〒299-5501 千葉県鴨川市小湊183
カテゴリー 探索記事(房総で鎌倉遺構探索
記事作成  2019年4月27日

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