瑞泉寺十境ハイキングコース 紅葉編
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今回の鎌倉遺構探索は、瑞泉寺をじっくりと堪能してきました。紅葉あり、新発見ありと、瑞泉寺は何度来ても楽しませてくれる史跡です。ということでさっそく本題に入ります。夢窓疎石が瑞泉寺を造営する際、十境(地)を定めたと云われています。その十境の厳密な範囲はよくわかりませんが、瑞泉寺裏山から天園ハイキングコースを伝って天園に向かい、獅子舞を経てまた二階堂に戻ってくるという今回のコースがちょうど瑞泉寺を囲むように歩けるので、鎌倉遺構探索ではこれを瑞泉寺十境ハイキングコースと呼んでいます。
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| Google map 二階堂 ①永福寺跡 ②瑞泉寺 ③やぐら群 ④貝吹地蔵 ⑤天園 ⑥獅子舞 |
永福寺跡
瑞泉寺は天園ハイキングコースからもアクセスできるので、北鎌倉を下車して明月谷からハイキングコース尾根道を伝って行くのもありだと思いますが、この日は時間と体力の節約のため鎌倉駅からバスで向かいました。バス停大塔宮から瑞泉寺に向かうとあるのが永福寺跡。そろそろ史跡公園として完成したのかと思いましたが、最後に見たときからあまり変わっていないように思えます。
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| 永福寺跡 |
瑞泉寺
さて瑞泉寺です。公式HPに紅葉真っ盛りの画像が載せられていたので期待していましたが、もう12月だというのに紅葉する気配が一切ありません。いつも見かける緑色でした。が、庭園の方は少し色付いています。紅葉の時期にはこんな感じになるんですね、陽が当たっていることもあってキレイでした。
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| 瑞泉寺 |
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瑞泉寺裏山
それでは瑞泉寺の裏山からハイキングコースを伝って歩いていきます。尾根頂部に出ると右手に見える掘割状地形が相変わらず鋭利で美しく、そして胡桃ヶ谷や瑞泉寺の小谷戸などを眺めることができます。そしてさらに進むと古道跡やひな段状地形と、エクセレントな景観が次々と現れます。瑞泉寺は遺構の宝箱です。
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| 尾根頂部にある掘割状 |
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| 紅葉ヶ谷 |
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| 胡桃ヶ谷 |
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| ハイキングコース尾根道 |
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| 古道跡 |
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| ひな段状地形 |
瑞泉寺から見える富士山は格別です。何故なら夢窓疎石が富士山の眺望も計算に入れて瑞泉寺(一覧亭)を造営したからです。この日は”うっすら”ではありますが、何とかその姿を拝むことができました。
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| 瑞泉寺裏山から見えた富士山 |
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瑞泉寺裏山やぐら群
瑞泉寺の裏山には大よそ50基以上の”やぐら”が生息しています。形状やサイズは様々です。羨道部に宝塔の浮彫が施されたものなど、ここでしか見ることができない”やぐら”もあります。”やぐら”はなんといってもこの”遺跡感”がたまりません。
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| 瑞泉寺やぐら群 |
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今回なんと、玄室内に浮彫があるものを確認することができました。右壁に2基、左壁に4基の五輪塔が施されています。特筆すべきは左壁浮彫の前にある納骨穴がこの4基の五輪塔専用かのごとく施されていることです。4基で一つということは、つまりこの浮彫が不特定多数の死者を弔ったもの、もしくは血縁者一族のものであることを物語っているのかもしれません。
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| 五輪塔浮彫やぐら右壁 |
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| 五輪塔浮彫やぐら左壁 下に納骨穴らしきもの |
瑞泉寺裏山の地形
やぐら群付近は尾根道と寺院の中間ぐらいの位置なので、掘割状や土塁状尾根など、私のような素人でもわかるくらいに人の手が加えられたのであろう地形が確認できます。その時代その時代で色々な造作が施されてきたのでしょう。
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| 道跡か!ってくらいの掘割状 |
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| 土塁状尾根 |
シイタケが生っていました。食べるのは好きじゃありませんが、こうして野生のシイタケを見るぶんには可愛いと思います。
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| シイタケw |
山中には思わせぶりな岩石が所々に置かれています。石切り作業による痕跡なのかもしれませんが、瑞泉寺だけに、庭園造作の一部に思えてなりません。往時では庭園部分はもっと広かったのではないかと想像が膨らみます。
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| 思わせぶりな岩石 |
月輪寺跡
瑞泉寺裏山尾根の向こう側には月輪寺というお寺があったと云われています。この時期、藪が薄れるので月輪寺のものと思われる地形が”うっすら”確認できます。また、やぐらは寺院の方に向くという法則からも、瑞泉寺にそっぽを向く月輪寺のものと思われる小規模なやぐら群がいくつか確認できます。有名な北条首やぐらもその一つです。
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| 月輪寺側の造作 明確なひな壇状地形 |
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| 北条首やぐら |
天園ハイキングコース
それでは天園に向かって進みます。貝吹地蔵さんに挨拶すると小さな切通しが現れます。しばらく行くと木々の隙間からこれから向かう獅子舞が見えました。”すんごい”色付いているので、これからどんな景色が見れるのかと期待が高まります。
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| 貝吹地蔵 |
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| 素敵な切通し |
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| これから行く獅子舞 |
天園に到着。鎌倉市街地を望みます。いつもここで思いますが、地図のとおりホントに鎌倉の北東側にいるんだということを感じます。何を当たり前のことを言っているんだと思われるかもしれませんが、なんというかその、例えば、禅の教えなんかで呼吸に集中すると生きていることが実感できるといった話を聞いたことがあります。そんな感じの話なんですがたぶん伝わらないと思います。ごめんなさい。うまく言葉で表現できません。
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| 天園から見た鎌倉旧市街地 |
獅子舞
天園からまた二階堂に向けて下山します。紅葉の名所となる獅子舞を通ります。それはそれは素敵な景色でした。
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| 獅子舞 |
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紅葉の谷を抜けると華やかな色合いが落ち着きます。湿気たっぷりの鎌倉らしい谷の雰囲気も素敵です。
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| 鎌倉名物 シダ |
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旧態地形を抜けるとまた永福寺跡となります。瑞泉寺は裏山を含めるととてつもないボリュームと魅力があります。これぞ鎌倉寺社といった感じでしょうか。
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| 二階堂の紅葉 |
周辺地域関連地図
より大きな地図で 瑞泉寺 を表示


































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