2018年5月14日月曜日

岩谷観音堂

岩谷観音堂

今回は富津市数馬区にある何とも不思議な”やぐら群”に訪れました。古墳時代横穴墓を後世にて改変したようなのですが、改変自体は珍しことではないものの、こちらの改変はちょっと”やりすぎ”です。他ではなかなか見れないでしょう。


周辺の地理


岩谷観音堂が位置する富津市数馬区は、富津岬や金谷など、海上交通の要衝の地に挟まれた土地柄です。個人的にはまだ見てませんが、周辺には大満横穴群などの古墳時代横穴墓に加え、岩見堂やぐら・恩田やぐらなどの中世横穴墓が存在しているそうです。また、ヒカリモで有名な黄金井戸はユニークな史跡でした。

Google map
①岩谷観音堂 ②黄金井戸


岩谷観音堂


県道127号線から湊川に沿って内陸に行くと丘陵が現れます。岩谷観音堂の駐車場に車を停めると大々的な切岸が広がっていました。期待が高まる景観です。

湊川沿いの景色
岩谷観音堂駐車場

観音堂は丘陵中腹にあるようで、少しだけ坂道を登ります。視点より高い位置に横穴墓が次々と現れます。

岩谷観音堂横穴群
岩谷観音堂横穴群

お堂のある狭いながらも中腹平場に到着。えぇ・・・凄いです。横穴群が階段で繋がっていて住居・アパートみたいになってます。もうこれは横穴墓アミューズメントパークと言っていいでしょう。

岩谷観音堂横穴群
岩谷観音堂横穴群

こちらが岩屋観音堂です。しかもこの観音堂、れっきとしたお寺のようで、現地案内板によると、正式には大悲山岩谷堂清巌寺と云うとありました。そしてこれら横穴群、どう見ても古墳時代横穴墓なのに「行基による一夜の作」ともありました。もうここまでくると「それはひょっとしてギャグなんじゃないか・・」と思わずにはいられません。

岩谷観音堂

現地案内板によると、こちらの横穴群は全部で14窟、そして第1窟は観音堂の奥にあり線刻があるとのこと、また堂内には縄文時代の石棒もあるそうです。残念なことにこれらは非公開で見ることはできないそうです。

岩谷観音堂横穴群

こちらの廊下状のスペースが圧巻です。コの字型となっており、奥まで光が届かないというイイ雰囲気を醸し出しています。しかも壁には一面浮彫りが施されているという手の込みよう。

岩谷観音堂横穴群

階段を登って上段の横穴に移動することもできます。しかもほとんどの窟で浮彫りが施されています。

岩谷観音堂横穴群
岩谷観音堂横穴群

元々なのか風化してしまったのかわかりませんが、顔の表情まではうかがえないものの、よく彫られています。全体的な造りがユニークなのと「行基による一夜の作」というギャグで和んでしまいますが、これだけの浮彫りですから、彫った当の本人たちの強い信仰心が伝わってくるようです。

岩谷観音堂横穴群
岩谷観音堂横穴群

これまで、お寺といえば、鎌倉にあるような武家から資金提供を受けて立派な伽藍を構成するのが当たり前のように思っていましたが、本来、地方のお寺って財力のある檀那もいない訳ですから、こんな風に横穴墓を転用したり、さらに自分たちで摩崖仏を彫り、必死に自分たちなりの信仰の場を設けていたのだと思います。もしくは、周辺が石切り場だったようなので、もしかしたら石切り職人さんたちの遊び心的な造作も含まれるのかもしれません。

「まぁゆっくりしていきなさいよ」ということですかね




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記事作成  2018年5月14日

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