2018年5月13日日曜日

ヒカリモ黄金井戸

黄金井戸

今回訪れた場所は、なんと、横井戸を祀るというこれまでに見たことも聞いたこともないユニークな史跡です。こちらでは古くから黄金井戸と呼んで洞穴に弁財天が祀られてきたそうです。なぜ井戸が祀られているのかというと、それは黄金色に輝く不思議な井戸だからなんですね。そしてなんとそれは鎌倉にもあったことが判明しました。それはのちほど。


周辺の地理


富津市竹岡に所在する黄金井戸は、有名な鋸山や東京湾フェリーに乗れる金谷港などがある鋸南町からも近い位置にあります。鋸南町までが安房国圏内なので、竹岡は上総との国境付近となりますが、三浦氏全盛の時代では鋸南町も富津も三浦氏の所領だったようなのであまり関係なかったのかもしれません。鎌倉時代後期では鋸南町に二階堂氏が絡んでいたようです。

Google map
①黄金井戸 ②岩屋観音堂


鋸南町保田


館山からの帰り道、黄金井戸に寄るため高速に乗らず下道で行くことに。途中、ちょうどコーヒーでも飲みたくなったので鋸南町の辺りで道の駅に寄ってみました。三浦一族が、そして政所執事の二階堂氏なんかも使っていたかもしれない保田(ほた)の港がちょうど目の前です。

保田港


黄金井戸


保田から移動して黄金井戸に到着。国道127号線沿いにあるので迷うことはありません。井戸だと聞いていました、祀られているとも聞いていました、が、鳥居が二つもあるこんな神社のような大げさな様相だとは思いもしませんでした。

黄金井戸

岩屋のごとく丘陵壁面を削り社殿をはめ込んでいて、さらに細かい造作がたくさんあります。小さいながらも”やぐら”のように石造物を置くスペースをいたる所に施してありました。想像以上に素敵な景観です。

黄金井戸
黄金井戸
黄金井戸

さぁ、神々しくも有難い井戸はというと、せっかくなので「わぁ素敵!」とか言いたいところですが、申し訳ありませんが正直な感想として、黄金色というか、んん・・変な色してます(笑)

黄金井戸
黄金井戸

この黄金色に輝くからくりはヒカリモです。ヒカリモは黄金藻類に属する単細胞の藻で、洞穴内に入ってくる光を反射させます。そしてここが重要で、一般的に4月~6月までが見頃(ヒカリモの浮遊期)なんだそうです。

黄金井戸

井戸の上に皇神社なるものがあります。これも黄金井戸のためにわざわざこの地に勧請したのでしょうか。少しだけ高台になっているので海を見渡せますが、この日はちょっと”どんより”雲が出てきてしまいました。

皇神社
皇神社からの眺め

昔の人はヒカリモなんて知らないので、なんて神々しい現象なんだといって崇めていたのでしょう。でも日本って近世まで雨乞いをしていたんですよ、祈れば雨が降ると思っていた、もしくは神にすがるほど水が欲しかったんですよ、なかには「こんな色してたら飲めねぇし使えねぇ」とか言って無用の長物扱いをしていた人もいたのではないでしょうか。それにしても、私たちのご先祖さまたちは何でも神にして祀っちゃうんですね、そりゃぁ神が八百万(やおよろず)もいる訳ですよ。


鎌倉にもあった黄金井戸


今回ヒカリモを初めて見たはずなのですが、実は鎌倉のどこかで見たような・・気がしてなりません。記憶をたどってパソコンにある画像フォルダを探してみると、ありました。これ、常盤にあった横井戸です。これ絶対ヒカリモですよね、しかもこっちは確かに黄金色。

鎌倉の黄金井戸

このとき、水があると思っているところにこの色だったので、土砂でも流れ込んでしまったのかと思っていました。これがヒカリモだったとは思いもよらず。まぁ何はともあれ、鎌倉にもヒカリモが、そして黄金井戸があることがわかりました。但し、竹岡の現地案内板に「毎年同じ所に定期的に多量に発生する例はごく稀」とのことです。また常盤に行くことがあったら確かめてこようと思います。



カテゴリー 探索記事(房総・安房で鎌倉遺構探索)
記事作成  2018年5月13日

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