〈舎那院〉の大日さま
舎那院 |
今回は”お大日様”と呼ばれ親しまれていたという館山では珍しい摩崖仏のある舎那院に行ってきました。しかも摩崖仏周辺には”やぐら”のような造作まであるとのこと。これは行かなきゃ損ですね。
周辺の地理
舎那院は館山市街地中心部からも比較的近い大網という場所に所在しています。舎那院にある摩崖仏の詳細な制作時期も不明ながら、詳しい縁起もよくわかりません。館山ではよく見かける真言宗のお寺だということぐらいですかね。
Google map 館山 ①崖観音 ②那古寺 ③鶴谷八幡宮 ④館山駅 ⑤館山城 ⑥鉈切洞穴 ⑦光明院 ⑧洲崎神社 ⑨南条八幡神社 ⑩舎那院 ⑪稲村城 |
カーナビに従って向かい、さらに市街地を通る生活道路沿いにあった舎那院の案内板が示す方向に向かったものの、見つからないためしばらく迷いました。ようやく見つかったときにわかりましたが、山門もなければ近くに案内板もありません。しかも舎那院は奥まった場所にあり、また駐車場があるとはいえ、この道を行っていいのかと悩むような道の先にありました。
舎那院の辺りから |
舎那院裏山
ということで、舎那院の近くにコンクリート舗装されていない山道があり、最初はそこを行くのかと思い入ってみました。後で舎那院を見つけてわかりましたが、この辺りちょうど舎那院の裏山となります。
舎那院の裏側 |
それにしてもこの辺りかなり開発されています。垂直の切岸、謎のトンネル状、そしてハイキングコースかと思うほどの立派な尾根道など、古い感じはしませんがここにも何か歴史があったんでしょうね。
立派な尾根道 |
舎那院
それでは、ようやく舎那院を見つけたので向かってみます。少し丘を登るように来たので景色が開けます。相変わらず方向音痴のうえ迷いに迷って来たのでこのとき東京湾を見ているのか太平洋を見ているのかよくわかりませんでしたが、ここから鏡ヶ浦(館山湾)が望めます。後でわかりましたが、お大日さま(摩崖仏)もこちら館山湾の方向を向いています。
舎那院からの景色 |
道を進むと平場にお堂がポツンとあります。ここ無住でしょうか。ビャクシンと思われる大木に、安房地方の寺院に絶対ある蘇鉄、そしてツツジなどで境内が彩られています。
舎那院 |
ビャクシン・・だと思われる |
古井戸と横井戸 |
現地案内板によると、舎那院の南方にお大日山と呼ばれる山があってそこに摩崖仏があるそうです。階段があるのでここからまた登っていくようです。不自然なスペースがあるので昔はお堂以外にも何かあったのでしょうか。
舎那院 |
しばらく山を登るのかと思いきや、なんてことはない、すぐにそれらしき場所に到着しました。
お大日山 |
舎那院摩崖仏
お大日さまこと舎那院の摩崖仏です。山腹の凝灰質砂岩に196cmの如来形の座像が彫られています。また前面にある穴に大豆を投げて入ると子供が授かるという信仰があったそうです。
お大日さま |
お大日さま |
舎那院縁起
現地案内板によれば、天保年間の火災によって文書などが全て焼失したようで、詳しいことはわからないようです。また摩崖仏自体の風化も激しいため詳細は不明ではあるものの、室町期より以前からあったと伝わっているそうです。江戸時代には高床式で扉がついたお堂で覆われていましたが、関東大震災で倒壊してしまったとのことです。
お大日さま |
周辺の丘陵部壁面にこれまた浅い掘りながらも”やぐら”のような造作がみられます。なかなかイイ雰囲気です。色々な石造物が置かれていますがほとんどが近世のものであるようです。もしかしたら舎那院の創建は近世より遡らない可能性も。
丘陵部壁面の造作 |
丘陵部壁面の造作 |
丘陵部壁面の造作 |
丘陵部壁面の造作 |
丘陵部壁面の造作 |
お大日山の石像仏 |
もう少し詳しい縁起がわかると色んなことを考えられたり想像できたりするんですけどね、そこが少し残念でしたが、ここの雰囲気がたまらなく素敵でした。
かなりキメてますけど・・ |
房総半島の史跡関連地図
史跡住所 〒294-0044 千葉県館山市大網111
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