2018年5月1日火曜日

崖観音・大福寺

崖観音・大福寺

崖観音の名で親しまれている大福寺(普門院船形山大福寺)は、その名のとおり、山腹の崖面に観音堂が建てられています。養老元年(717)に行基(668~749年)が岩肌に十一面観世音菩薩を彫り、のちに慈党大師(794~863)がお堂を建てたと云われています。さて、どんな景色が待っているのでしょう。


周辺の地理


館山自動車道の最終出口(下地図画像①)から比較的近い場所に崖観音②は所在しています。ですから崖観音は遠方から来た観光客が高速道路を下りてまず最初に向かうべき館山の観光スポットかもしれません。近くに多田良という気になる地名があります。三浦一族の多々良氏の所領だったと云われており、また三芳府中の辺りは同じく三浦一族と縁の深い、というか三浦一族と言ってもいいかもしれない安西氏が拠点を構えていました。また地図を見てのとおり、鏡ヶ浦(館山湾)を北側から望む絶好の位置にあります。

Google map 館山市
①館山自動車道出口 ②崖観音 ③那古寺 ④鶴谷八幡宮 ⑤館山駅


崖観音


崖観音に到着し、ふと駐車場から見上げると、思った以上に高い場所にあること、そして期待通りの姿に思わず微笑んでしまいました。そして崖面がもの凄く削られています。人の手でやったのでしょうか、それとも自然に剥がれたのでしょうか、結構迫力のある地形です。

崖観音

境内に入るとまず本堂があって、そこから崖のお堂へと登って行きます。三浦半島でもよく見かける蘇鉄がこれでもかと一点に植えられています。この蘇鉄があると「南に来た!」もしくは「海に来た!」という”南国感”が増します。

大福寺境内

丘陵を登っていくと、お不動さま、そしてその上に観音堂があります。お不動さまは”やぐら”のように削れられた横穴にお堂がはめ込まれ祀られています。

お不動さまと観音堂
お不動様内部

途中、別の穴があったので覗いてみたところ、これはさすがに防空壕の類でしょうか。崖観音に限らず、館山市周辺では防空壕らしき穴が普通に開口していたので、横穴墓なのかどうか紛らわしものが結構ありました。

違う穴だった(笑)

観音堂からの眺めです。鏡ヶ浦(館山湾)が一望できます。素晴らしい。現地では三浦半島でも見えているのかと思っていましたが、遠くに見えるのは普通に鏡ヶ浦周辺の丘陵でした・・。相変わらずの方向音痴。

観音堂
観音堂からの眺め
観音堂からの眺め

現地案内板によれば、大正12年の大震災で観音堂・本堂が倒壊し、現存のお堂は大正14年に、本堂は昭和元年に再建されたとありました。確かに、お堂内部は古めかしい感じはしません。

観音堂内部
観音堂内部

さて、行基が彫ったと云われる十一面観世音菩薩はというと、フェンスに覆われた向こうにあるので覗いてみると、像の一部しか見えないようになっているという造りになっていました。見せないように作ったのでしょうか、それとも設計ミスか何かでしょうか、ナニこの中途半端な感じ。

仏壇の向こうに十一面観世音菩薩・・

まぁ、本尊は見せませんとか、境内での写真撮影を禁じますとかいうお寺に比べればまだいいかと、気を取り直して隣接する諏訪神社に向かいました。それにしても崖面の岩肌が素敵。

観音堂付近の岩肌

さぁ諏訪神社は、と思ったらすんごい絶壁状の切岸。事前に見た資料と違うような・・。あと切岸上部に石切り職人さんの文字を発見!

諏訪神社・・?
石切り文字

あまりにも不自然なのでちょっと調べてみたところ、なんと、2017年に火事で全焼してしまったようです。しかも放火だと千葉日報にありました。諏訪神社は船形地区の総鎮守で、船形住民の氏神として親しまれてきたので、地元の方々への影響も大きかったでしょう。しかし、ここは見方を変えて、逆に切岸だけの珍しい景観を見れたと考えましょうか。早くに再建・復興されることを祈ってます。

諏訪神社の狛犬

といういうことで、かなりイケてる崖観音こと大福寺でした。何よりも鎌倉遺構探索好みの岩屋形式であったことが良かったです。



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記事作成  2018年5月1日

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