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観音崎から見える船の景色

2018/02/18

横須賀市 撮影ポイント

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観音崎から見える船の景色



三浦半島の史跡めぐりで観音崎に訪れたとき、撮り鉄ならぬ撮り船を趣味とする人に出会いました。彼は船や港に詳しく、また日本全国の有数の港にも訪れている筋金入りのマニアでした。カメラを趣味とする人が持っているあの武器のような大きなカメラなら観音崎からスカイツリーも見えるのかと疑問に思い、話しかけたのがきっかけでした。

ということで、今回は鎌倉遺構探索の主旨から外れますが、その”撮り船先生”から教えてもらったことを参考に観音崎から見える船の景色を紹介します。ちなみに私のカメラはコンパクトでしかも今回はズームしているものが多いため画質があまり良くありません。御了承ください。

浦賀水道


三浦半島と房総半島に挟まれた海峡を浦賀水道と云います。wikipediaによれば、一日あたり400~700隻もの船が往来する世界有数の海上交通路だとありました。航行する船の数も多く、潮流も早いことから、日本の周辺海域では有数の航海の難所とも云われています。観音崎からは東京湾を航行する船を比較的至近距離で眺めることができます。全長200m級の大型船が横切るときの迫力は格別です。

観音崎から見える船の景色

観音崎が撮り船スポットの訳


撮り船先生のいた観音崎は知る人ぞ知る撮り船スポットのようで、他にもカメラを構えていた人が何人もいました。なぜ観音崎がスポットなのかというと、観音崎が三浦半島から突き出た地形に所在しているため見学しやすいという理由が第一に考えられます。が、さらにプラス要素を見つけました。

strava global heatmap
①観音崎

上画像はヒートマップといって人の動きを明るさで示したものです。明るければ明るいほど、そして太ければ太いほど人の往来が多いことになります。そしてちょっと見にくいかもしれませんが、三浦半島と房総半島の間に描かれた線が往来する船舶の航路となります。

一日に400~700隻もの船舶が航行するのになぜかどの船も微妙に三浦半島寄りを通っています。ただでさえ観音崎が三浦半島から突き出た位置にあるのに、さらにこのように船が三浦半島寄りを航行してくれるので、観音崎が船を間近で見ることができる有数のスポットになるようです。

富津岬


観音崎から景色を眺めていると、まずは何と言っても房総半島がすぐそこにあるかと思えるほど近くに見えることに感激してしまいます。下画像は観音崎周辺からよく見える工場群で、撮り船先生によれば、これが富津岬の辺りなんだそうです。方向音痴の私にはとても有益な情報でした。

富津岬と沈みそうな船

戦時中に造成された人工島


富津岬の近くで「なんか島が見える」と思ったら、こちら下画像は、第一海堡と云って、戦時中に人工的に造成された島なんだそうです。当時は砲台などが配置されていたとのことです。そんな島があるの初めて知りました。

第一海堡もしくは第二海堡

スクラップ島?


撮り船先生によれば、こちら下画像は鉄くずなどスクラップで造られたものなんだそうです。芸術的な造形物に見えます。不思議ですね、何のためなんでしょう。

クズ鉄スクラップ島

台湾のEverGreen


この船の大きさが伝わるかわかりませんが、現地では思わず「でかっ!」と言ってしまう程の大きさでした。全長200m級の大型船です。凄いのは長さだけでなく高さもあることです。たぶんビルの5~7階に相当します。

こちらは船体に”エバーグリーン”とみえます。台湾の会社なんだそうです。台湾といってもみくびっちゃいけません。世界最大のコンテナ海運会社です。社長の張栄発さんは日本語が堪能で、東日本大震災のときは個人で100億円もの寄付をしてくれたそうです。でもいくらなんでも100億円はないだろうと思い、その後ネットで調べてみたら10億円とのことでした。撮り船先生になぜか話をちょっと盛られました。

エバーグリーン社のコンテナ船

小笠原のライフライン おがさわら丸


こちらは小笠原へ観光客と物資を運ぶ船で小笠原諸島の重要なライフラインです。船体前方にあるクレーン?のようなものがこの船の特徴ですが、何に使うのかは聞いたんですけど忘れてしまいました。浜松町にいた時期があったのでよく竹芝に海を見に行ってました。そこでこのおがさわら丸を見たような気がします。

おがさわら丸とさりげなく東京湾観音

巨大車両運搬船と韓国の車事情


こちらも巨大です。この船は車を運ぶタイプのもので、なんと内部は7層になっていると撮り船先生がおっしゃってました。あの船の中に7階建てのパーキングビルがあるんですよ、その大きさが伝わると思います。ちなみに下画像は韓国の船なんだそうです。

それにしても日本で韓国製の車なんて見たことありませんよね、ですからこの船は日本車を韓国に持っていくのでしょうか。何かと日本が嫌いな韓国人に日本車など売れるのだろうかと思い、調べたところ、ライブドアニュースに、韓国の輸入車全体の11.9%が日本車だとありました。

韓国の車両運搬船

自衛隊艦と憧れのレーガン


なんか格好いい船が来たと思ったらやっぱり自衛隊の船です。撮り船先生によれば、この船は潜水艦を助けるための特殊な仕様が備わっているそうです。現地では全長200m級の船に驚いていましたが、米軍空母のレーガンはなんと全長350mもあるそうです。ここ観音崎からそんな船を見れたらどれだけ感動できるのか想像もつきません。

ちなみに空母レーガンは軍事機密のためいつ横須賀に寄るのかといった情報は公開されません。そこで撮り船先生のようなマニアたちは、レーガン乗組員の彼女らしき女性のSNSを収集し、彼女の呟きから彼がいつ帰ってくるのか、つまりレーガンがいつ横須賀に寄港するのかを予測しているそうです。探偵なみの情報収集能力に思わず笑ってしまいました。

自衛隊のレスキュー船とさりげなく東京湾観音

自然の驚異


この日は快晴だったものの、房総半島寄りで噴火の煙のような雲が見えました。確か真鶴でも同じような現象を見たので、夕方に近づくと現れる海の”あるある現象”なのかもしれません。

海のあるある現象

ヤマトタケルが走水から出航した訳


観音崎の近くに走水があります。走水といえばヤマトタケルの東征路における相模国最終地点です。ヤマトタケルがここから房総半島へと渡って行きました。でもなぜ走水からだったのでしょう。現代において観音崎周辺が撮り船スポットでもあるように、古代の人たちも走水や観音崎から見える景色が三浦半島のどこよりも房総半島が近くに見えたのかもしれません。つまり最短距離で房総半島に渡れる土地だと判断したからなのかもしれません。そして歴史の謎って意外にそんな単純な答えなのかもしれないと思いました。

ヤマトタケルが陣を構えたと云う御所ヶ崎からの景色

オマケ


せっかくなので三浦半島における観音崎以外の場所からの船の景色を紹介します。自分で撮っておきながら「意外なことに」と言うのもなんですが、三浦半島の画像フォルダ内を探していたら、船がワンポイントになるためか、船を意識しているはずもないのに船が映っていたものが多かったんです。とりあえず下画像は観音崎からも近い鴨居の多々良浜からの景色です。

鴨居の多々良浜から

下画像は三浦海岸から金田方面に向かっていたときに撮ったものです。海・空・モクモク雲、そして対岸にある房総半島の山々、・・なんて美しい景色なのだろうとしばらく眺めていたのを覚えています。

三浦海岸~金田

こちら下画像は三崎から戻る途中なので宮川の辺りだったでしょうか。高台からだったためか房総半島との距離が短く見えたので思わず撮っておいた一枚です。

宮川の辺りから

こちらは浦賀で撮ったものです。浦賀は町自体が港といってもいいでしょう。ですから船がこちらに向かってくるんですよ。

浦賀から

今回は鎌倉遺構探索の主旨とは異なるテーマでしたが、最後までお付き合いいただきありがとうございます。実はいま三浦一族がマイブームで色々と調べていて、前回は「三浦一族の所領と日宋貿易」という記事をアップしました。そんな関係で三浦半島の画像フォルダを掘り返していたら撮り船先生を思い出したのでこのような記事にしてみました。最近は連絡をとっていませんがきっと日本のどこかの港にいるはずです。それはあなたの住むすぐ近くの港かもしれません(笑)

基本情報

住所 :神奈川県横須賀市鴨居4丁目
駐車場:有り

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