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鎌倉のヒカリモ

2021/10/17

ヒカリモ 鎌倉市

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鎌倉の〈ヒカリモ〉


以前に富津市竹岡にある黄金井戸という史跡に訪れました。そこでは黄金色に光る井戸が礼拝の対象として祀られていました。その黄金色に光る正体とはヒカリモという藻の一種で、希少な存在でもあることから、竹岡の黄金井戸は国の天然記念物に指定さいれています。そして実際に見に行ってみると、初めて見たはずがどこかで見たような気がしてなりませんでした。そしてのちにそれは鎌倉の常盤で見たものであることに気付きました。

前置きが長くなりましたが、この記事ではその鎌倉にもあったヒカリモを紹介したいと思います。

基本情報

名称 :鎌倉のヒカリモ
分類 :横井戸
用途 :不明

〇所在地 :円久寺
〇住所  :神奈川県鎌倉市常盤621
〇料金  :なし
〇駐車場 :なし

ヒカリモとは


せっかくなのでヒカリモのことを少し勉強してみましょう。ジャポニカ日本大百科全書より引用します。

黄金藻類ヒカリモ属の1種。この属は淡水産で種類も多いが、金色に光るのはこのヒカリモのみである。普通は、アメーバ状の体の一端に1本の鞭毛(べんもう)をもち、遊泳生活をしているが、洞窟(どうくつ)内の水たまりや温室内の水槽など、波立ちのない止水中では浮上して鞭毛を失い、球形に変わって水面上に被膜をつくる。これに光が当たると、黄色レンズ状の葉緑体が光を反射して光ってみえる。


ヒカリモという種類の藻と、洞窟のような環境が合致した場合、黄金色に輝く現象が起こるようです。そして一般的に4月~6月までが見頃(ヒカリモの浮遊期)なんだそうです。

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鎌倉のヒカリモ


ヒカリモは鎌倉市常盤の円久寺にあります。周辺には往時では北条氏邸があったと考えられており、実際にも「殿入り」などの小字名が伝えられています。円久寺はまさにその殿入り地区で、本堂の背後にはやぐら、そして掘れば貴重な遺跡が出土しそうな広大な旧態地形が残されています。

円久寺
円久寺のやぐらのある丘陵壁面
円久寺背後の平場

やぐら横穴マニアとして円久寺の丘陵壁面に施された造作は見逃せません。その壁面をず~っと辿っていくと、「あれっ」周囲とはまた形の異なるやぐらが現れました。

謎の横穴 ちょっと黄色が見えてるけど

内部を覗くと、やぐらだと思っていたところにこの色だったのでビックリしました。土砂でも紛れ込んで変色した水が流れて溜まっているのかと思ったのが第一印象です。正直言うと、お世辞にも「うわぁキレイな黄金色だ」なんて微塵も思いませんでした。

鎌倉常盤のヒカリモ

申し訳ありませんが、このとき汚水かなんかだと思っていた「これ」が貴重で希少なヒカリモだとはつゆ知らず画像はこれしか撮っていません。また本家の竹岡と比べると色が微妙に異なります。下画像は竹岡の黄金井戸です。

竹岡の黄金井戸ヒカリモ

もちろん天候や陽の当たり具合で見た目も変わると思いますが、こうして見比べると常盤のヒカリモの方がまさに「黄金色」をしているのではないかと個人的には思いました。

ちなみに竹岡の黄金井戸の記事をアップしたのち、専門の方から連絡がきてその後ニュースにもなっていたので、これは間違いなくヒカリモです。

竹岡のヒカリモ黄金井戸

竹岡のヒカリモ黄金井戸

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常盤の横穴


これまで鎌倉で横穴という横穴に顔を出してきましたが、この鎌倉版黄金井戸の横穴の分類がよくわかりません。ちなみにヒカリモのある横穴内にはさらにやぐらでいう副室のような造作が施されています。この横穴一体なんなんでしょう。

ヒカリモ横穴の副室

周辺一帯はではこの他にも謎の横穴がみられます。見たことのない横穴造作だったので防空壕の類かと思い、常盤の大地主の矢沢さんに尋ねましたが、「防空壕ではないと思うけどなぁ」という少し頼りない意見をいただきました。ここ常盤の殿入り地区はヒカリモだけでなくまだまだ謎が残されています。

謎の横穴
謎の横穴内部

そして常盤の謎はこれだけではありません。近くの石像仏群に紛れてビートたけしさんがいらっしゃいます。・・んん~謎だらけです常盤。

常盤にいらっしゃるビートたけしさん

館山のヒカリモ


こうして記事を作成していてまた思い出したのですが、そういえば館山にも同じような景色がありました。あまりキレイじゃありませんがこれもたぶんヒカリモでしょう。但しこのときちょうどヒカリモの見頃時期でした。それでこれなので、やはり常盤や竹岡のように必ずしも立派な黄金色になるとは限らないようですね。

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