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仙台・松島で鎌倉遺構探索【概要編】

2019/05/13

松島

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仙台・松島で鎌倉遺構探索【概要編】



仙台市にも鎌倉遺跡”やぐら”(中世横穴墓)があるということで、日本三景で知られる松島に行ってきました!予想以上の数、予想以上のサイズ、そして鎌倉では見たことのない形状など、色々と興味深い体験ができました。

仙台・松島


ということで出発、久しぶりの新幹線だったので思わず写真を撮ってしまいました。・・恥ずかしい。サラリーマン時代は出張が多くてよく利用していましたが、自営業になるとなかなか利用する機会がありません。寂しい限りです。

東京駅 東北新幹線はやぶさ

東京から東北新幹線はやぶさで仙台駅まで。そこから仙石線で松島海岸駅に到着。大よそ1時間半ぐらいの行程です。同じく仙台駅から東北本線で松島駅に行くこともできますが、今回訪れる場所が松島海岸駅の方が近いようだったので仙石線を利用しました。あと仙台駅けっこうオシャレです。

仙台駅

首都圏の人が注意すべきところは電車のドアが手動だという点でしょうか。松島海岸駅で危うく降りそびれるという事態となり、そして帰りも「電車が到着したのになかなかドアが開かないなぁ」なんてぼーっとしていたら乗りそびれそうになりました。何度かこちらに訪れないと「電車のドアが手動の訳がない」という既成概念を取り外すことは難しいでしょう。

松島海岸駅の辺り

松島洞窟遺跡群


松島ではやぐらを「洞窟遺跡」もしくは「石窟」などと呼称しています。なんか格好イイ呼び名です。こちらでは松島三霊廟に数えられる瑞巌寺・円通院・天麟院の境内それぞれにやぐら、つまり洞窟遺跡が存在し、さらに雄島は島全体が霊場だったというだけあってその洞窟遺跡が至るところにありました。

Google map 松島
①松島海岸駅 ②雄島 ③天麟院 ④円通院 ⑤瑞巌寺 ⑥五大堂 ⑦西行戻りの松公園

松島のやぐらはサイズが大きく浮彫も明瞭で掘削技法も鮮やかです。それもそのはず、よくよく調べてみると、松島のやぐら群はほぼ近世に造営されたものでした。但し「松島周辺に点在する石窟群の一部は中世にまで遡る可能性が確認された」と宮城県教育委員会の調査報告書にありました。また円通院の境内案内板にもやぐらを700年前の洞窟遺跡と紹介しています。

雄島
瑞巌寺

松島にやぐらという鎌倉限定の葬送文化がどうして伝わったのかといえば、やはり瑞巌寺の前身であった円福寺の存在があったからでしょう。その円福寺は、北条時頼を檀那とし、また建長寺開山の蘭渓道隆(大覚禅師)が二世住職に就いていました。その後も大覚派の僧侶が住職を歴任したことから、円福寺は臨済宗建長寺派の影響下に置かれていました。房総半島では臨済宗円覚寺派や律宗が教化に努めていたことから、やぐら文化が伝播したと考えられていましたが、こちら松島では臨済宗建長寺派の進出が大きな影響力を与えたようです。

天麟院
円通院

松島三霊廟


松島三霊廟に数えられる瑞巌寺・円通院・天麟院は、全て伊達藩主に創建された寺院ですが、伊達政宗の菩提寺として知られる瑞巌寺の前身は、上記したように北条時頼を檀那とする円福寺に遡り、さらにその円福寺も天長五年(828)に慈覚大師円仁が開山した天台宗の延福寺が前身であったと云われています。

瑞巌寺
瑞巌寺

瑞巌寺のお隣り円通院は、19歳で早世した伊達政宗の孫にあたる光宗の菩提寺です。ここは凄いです。地方でこんな素敵な禅寺と出会えるとは思ってもみませんでした。鎌倉五山、もしくは北鎌倉レベルのクオリティです。

円通院
円通院・三慧殿
円通院

伊達政宗の長女・五郎八姫の廟所及び菩提寺となる天麟院は、裏山に日吉山王神社と若干の旧態地形、そしてこちらでも5基ほどやぐらが確認できます。

天麟院
天麟院・定照殿

瑞巌寺五大堂


海岸線に位置する五大堂周辺は遊覧船乗り場や観光客向け店舗などで賑わっています。毘沙門堂に五大明王像を安置したことから五大堂と呼ばれています。伊達政宗が慶長九年(1604)に建立したと云われていますが、元々の歴史は慈覚大師円仁、さらには坂上田村麻呂にまで遡ると云われています。

五大堂
五大堂周辺

西行戻りの松公園


西行戻りの松公園という見晴らしを望める場所があるそうなので行ってみました。高台を登ることになりますが駅からそんなに遠くはありません。

西行戻りの松公園からの景色

公園は結構広いので見晴らしポイントがいくつかあります。微妙に角度や高さが違うのでそれぞれの場所でこの絶景日本三景を堪能できます。

西行戻りの松公園からの景色

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