白鳥山・石取山(小室の棒石山)で柱状節理の見学
「柱状節理とは」伊豆半島ジオパークより
溶岩やマグマは冷えて固まるとき、少しだけ体積が小さくなって縮みます。冷えていく溶岩やマグマ全体が縮むときに5角形や6角形の柱状の割れ目ができます。これを柱状節理といいます。溶岩が川の流れや波で侵食されたり、地下にあったマグマ(が冷えたもの)が隆起して地表に姿を現したりすると、それらの中にできていた柱状節理が私たちの目の前に現れます。
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記事ダイジェスト |
伊豆の国市にある白鳥山と石取山(小室の棒石山)で、崖一面が柱状節理という、とんでもないスケールの地質遺産を見学してきました。
アクセス
最寄り駅となる伊豆箱根鉄道駿豆線大仁駅へは、品川から三島まで新幹線、三島から大仁駅まで駿豆線となります。乗車時間だけなら78分なので乗り継ぎのタイミングが良ければ大よそ90分、大めにみても首都圏から2時間ぐらいで向かえます。
大仁駅から石取山(小室の棒石山)まで1.5km、白鳥山までは3km、少し遠いかもしれませんが、普段から史跡めぐりやハイキングをしている方なら歩いて行ける範疇だと思います。
※注意
今回訪れた石取山と白鳥山は、基本的に立入禁止です。同じように訪れたいという方は全て自己責任です。ご注意ください。
大仁駅から石取山へ
この日は大仁に滞在していました。ホテルから駅・城山方面に向かう途中にあった大仁神社に立ち寄ったところ、とんでもない規模の梅林が施されていて、しかも見頃だったという幸運に恵まれました。やはり普段からの行いが良いからでしょうか。
大仁神社と梅林
城山や大仁鉱山などに訪れるため、伊豆の国市大仁に滞在しました。ついでにと言ったら失礼ですが、こんなところに神社があるのかと、軽い気持ちで立ち寄ったところ、そこには見渡す限り梅の花が咲く神社の光景がありました。
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大仁駅とさりげなく城山 |
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駅前の足湯 |
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駅前の足湯とその背後にまた長嶋さん(笑) |
駅を通り過ぎようとしたところ、足湯にモクモクと湯けむり。前回訪れたときはこんな風になっていませんでした。これはたぶん、毎回朝にお湯を足すんですかね。
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城山 |
ちょうど通勤時間と重なったようで、駿豆線から多くの人が降りてきましたが、誰もこの見事な山容をした城山に見向きもしないんですよ。でもよく考えたら、東京の人が毎朝通勤途中に「あっ東京タワーだ!」なんてしませんよね。
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狩野川 |
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セブンイレブンと城山 |
まずは城山のお隣にある石取山(小室の棒石山)に向かいます。その前に国道沿いのセブンイレブンで朝のコーヒーブレイク。
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遠くにスコリアのような山 そして下に「あっ・・」 |
遠くにスコリア丘のような山容をした山が見えます。「ここから大室山が見える訳ないだろうし何て山だろう」と思って写しておいたところ、帰ってパソコン画面でみたら「あっ・・」下にとんでもない数の花並木があることに気付きました。地図を見ると河津桜並木とあります。あとの祭りですが、この日は大仁神社で十分にきれいな梅の花が見れたので良しとします。
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しつこいけどまた城山 |
城山が近づいてきました。城山ってホント素晴らしいですよね。それにしても今日とても天気が良いので、今日城山に登りたかったと思わずにはいられません。皆さんにはどうでもいいことですが、前回ちょっと天気がいまいちだったんですよ。
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石取山(小室の棒石山) |
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石取山(小室の棒石山) |
そして石取山(小室の棒石山)に到着。この崖凄くないですか、柱状節理の崖です。そしてしつこいようですが、ここからも未だ城山が見えます。
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またもや城山 |
それでは、石取山にお邪魔させてもらいます。凄い!崖一面柱状節理!
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石取山の柱状節理 |
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石取山の柱状節理 |
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石取山の柱状節理 |
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石取山の柱状節理 |
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石取山の柱状節理 |
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石取山の柱状節理 |
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石取山の柱状節理 |
10m以上はあろうかという崖一面に柱状節理。箇所によっては古代宮殿の柱とか、とにかく人が手を加えたのではないかと思いたくなる部分もあります。まさに自然の遺跡。
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柱状節理の残骸 |
残骸を見る限り、柱の状態で簡単に取り外せるように思えてきます。だってそのままの状態で散乱しています。
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結晶 |
よ~く目を凝らすとありました、キラキラする結晶が。しかもまあまあ大きい。でも母石が大きすぎて持ち帰れない。
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大仁鉱山の裏山が見える |
ここから前回行った大仁鉱山の裏山が見えます。それでは、次の山、白鳥山に向かおうと思います。
石取山から白鳥山へ
グーグルマップによれば、石取山から白鳥山まで歩いて30分とのこと。でもグーグルマップがそう言うのであれば、たぶん15分ぐらいで行けると思います。
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柱状節理の石垣 |
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柱状節理の家の柵 |
往時では周辺は採石場として賑わっていたのでしょう。その柱状節理の石が、石垣や家の柵として使われていることからも、石が地元に密着していることが伝わってきます。
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大仁の猫 |
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「なんじゃわれ」 |
「農道に猫」という東京では見れない画に、思わず声をかけてみたけど猫はやっぱり猫。
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白鳥山の砕石工場 |
歩くことしばし、何やらけたたましい機械音とトラックが往来するエンジン音がしてきました。どうやら白鳥山に到着したようです。
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白鳥山 |
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白鳥山の柱状節理の崖 |
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白鳥山の柱状節理の崖 |
もの凄いスケールの柱状節理の崖です。但し麓の工場が稼働しているので侵入することができません。しかも工場入口に「発破時間」とあります。マジであかんやつですやん。
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発破時間 12:00・16:30 |
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奥側の崖 |
ここまで来てあきらめきれないので、少し進んでみると、誰もいない、機械もない崖面があったので侵入口を探してみることに。
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モフモフが過ぎる石材屋のワンちゃん |
ここで近くの石材屋の二匹のワンちゃんが機械音に負けじとけたたましく吠えてくるので、構ってあげに行ったらめっちゃモフモフされました。
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白鳥山の柱状節理の崖 |
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白鳥山の柱状節理の崖 |
モフモフから解放され、侵入して近づいてみると、こちらも柱状節理だということがわかり大興奮。しかも石取山より高さも広さも何倍もあるように思えます。
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白鳥山の柱状節理の崖 |
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白鳥山の柱状節理の崖 |
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白鳥山の柱状節理の崖 |
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白鳥山の柱状節理の崖 |
真下まで来るとさらに大迫力。しかも落石や崖面の崩落が今にも起きそうでスリル満点。
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なんか上の方にコブができてる |
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地上部の様子 |
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地上部の様子 |
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地上部の様子 |
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自噴しているのかな? |
テレビなどの映像で柱状節理を見てもあまりピンときませんでしたが、目の前で見るとこんなにも素晴らしいものなのかと思いました。でも人間は欲深いもので、今度は削られていない、人口的に改変されていない柱状節理を見てみたいと思わずにはいられませんでした。
本日のおみやげ
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本日のおみやげ |
柱状節理の石に生息(?)していた結晶を何とか削り取って持ち帰りました。相変わらず何という種類の鉱石なのかわかりませんが、とにかくキラキラしていてキレイです。
あとがき「ロッカクイシ」
城山の近くにある子育地蔵尊でキレイな梅の花に見とれていたら、地元のおばあちゃんが梅ではなく土肥桜だと教えてくれました。またそのおばあちゃんと山の話をしていると「ロッカクイシ」と、よくわからないことを言っていました。しかしその後ようやく気付いたのです。柱状節理は六角形なので、昔の人たち、もしくは大仁の人たちは柱状節理から採った石を「六角石」と呼んでいたんですね。さらに、後日、湯河原で柱状節理の滝・六方の滝を見に行きましたが、その名前もなぜ「六方」なのかを理解できました。
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大仁神社と梅林
城山や大仁鉱山などに訪れるため、伊豆の国市大仁に滞在しました。ついでにと言ったら失礼ですが、こんなところに神社があるのかと、軽い気持ちで立ち寄ったところ、そこには見渡す限り梅の花が咲く神社の光景がありました。
2 件のコメント:
初めましてm(_ _)m
異極鉱の検索から巡り巡って、偶然にたどり着きました。
30数年前まで旧大仁町の住民でした。
伊豆の地形、殊に城山に興味を持って頂きありがとうございます。
城山の柱状節理の安山岩は、韮山の反射炉の基礎(発掘調査の時に見たので、現状では確認できないかも......)にも使われる、伊豆北部ではポピュラーな石材です。
ご存知の事と思いますが、浄蓮の滝の岩肌も見事な柱状節理が見てとれます。
さて、記事中に画像でも紹介されていた、北北東方向に見える双子のスコリア丘ですが、箱根の神山と駒ヶ岳です。
既に調べた後でしたら、要らぬお節介でしたかf(^_^;)
そのような次第で、長々と失礼致しました 再m(_ _)m拝
コメントありがとうございます
えっ!あれ駒ヶ岳だったんですか?結構遠くまで見えるんですね。
浄蓮の滝も柱状節理なんですね、今度行ってみようと思います。
色々と情報ありがとうございます
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