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湯河原秘境ハイキング(湯河原梅林・六方の滝・天照山・不動滝)後編

2023/03/20

ハイキングコース 湯河原

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湯河原秘境ハイキング


湯河原にある六方の滝へ訪れるため計画したハインキングでしたが、どうせなら不動滝にも行ってみたいと思ったことから、尾根道の無いまさに秘境をさまよい歩く壮絶なハイキングとなりました。しかしこれは、湯河原だけに、源頼朝が石橋山の合戦で逃避行したルートの一部を踏襲したハイキングコースなのではないだろうかとポジティブに考えてみました。
この記事のハイライト

基本情報

コース名 :湯河原秘境ハイキングコース
出発地点 :五郎神社
到着地点 :不動滝
最低標高点:82m
最高標高点:904m
距離   :12km
所要時間 :6時間50分

前編

湯河原梅林から六方の滝までの様子は、ボリュームの関係で別記事となっています。この記事では六方の滝から天照山、そして不動滝までの様子をお伝えします。

【六方の滝】柱状節理の滝を見たくて湯河原梅林からハイキング

【六方の滝】柱状節理の滝を見たくて湯河原梅林からハイキング

伊豆の山で見た崖一面の柱状節理に感動していたところ、湯河原に柱状節理の滝(六方の滝)があると聞き、早速ハイキングに行ってきました。「幻の滝」「秘境の滝」などとネット上で囁かれている六方の滝ですが、個人的には「湯河原ぐらいで大げさな(笑)」と思っていた…

概要

Google map 湯河原
①大石ヶ平 ②六方の滝 ③土肥大杉跡 ④箱根受信所 ⑤天照山入口
六方の滝から土肥大杉跡を目指し、県道75号線・椿ラインに出れば、そのまま天照山まで行けるだろうと目論んでいました。がしかし、道を間違えたのか、もしくは道が消失していたのか、未だにわかりませんが、途中で行き場を失い、尚且つ上画像で印したように周辺はインターネット通信が無いエリアとなっているため、GPS無しで湯河原の奥深い自然を彷徨う結果となりました。

六方の滝から湯河原秘境ハイキングコース

六方の滝
山の女神に引率され、ようやくたどり着くことができた六方の滝。そこには想像の遥か上をいく絶景が待っていました。それでは、ひとまず土肥大杉跡を目指します。
まずは徒渉
杉林
巨石が転がる尾根道
この辺り、杉林・巨石・滝と、修験者が好みそうなエリアです。吾妻鏡によれば、源頼朝は修験者に引率されているので、もしかしたら、本当にこの辺りを歩いたかもしれないと、想像が膨らみます。
橋の向こうは・・・藪
藪・・・
道が怪しくなってきたところで、橋があるのでコースを外れている訳ではないようですが、その先は藪という、あまり気の進まない道筋。しかも所々で棘のある植物に刺され、藪を払いのけた手の甲の数カ所から出血。そしてしばらくすると景色が少し開けました。
積雪と川
積雪の景色
川に積雪の景色!。今日、湯河原梅林で満開の梅の花を見たのに、もう春だというのに、素晴らしい景色。今年東京では積雪がなかったので余計新鮮です。
小さい滝を徒渉
景色が開けたゴロゴロ岩の川
ゴロゴロ岩の川に出たところで完全に道を断たれました。六方の滝に至る経験からも、些細な道筋を目を凝らして探してみましたが全く見つかりません。ここまで来て引き返すか一瞬悩みましたが、近くに水量のない同じくゴロゴロ岩の川筋があったので、そちらを進むことに。
ゴロゴロ岩の川
川(道)筋が折れ曲がる所で何か変化があるかと思いきや、折れ曲がってもまた同じゴロゴロ岩の川筋。このまま延々とこの道を歩くのかと不安になってきましたが、ひとまず上に登っているのだから行き着くところまで行けば、大観山・箱根ターンパイクに出るかもしれないと、このとき安易に考えていました。
延々とゴロゴロ岩の川
柱(板)状節理エリア
柱(板)状節理エリア
凄~い!一瞬禅寺の庭園にでも迷い込んだかのような錯覚。柱(板)状節理の川ですよ。
柱(板)状節理の壁
柱(板)状節理の川に喜んでいたのも束の間。今度は行く手を阻む柱(板)状節理の絶壁・・・。「あっ」でも柱(板)状節理って足を引っかけやすくて登りやすい!
柱(板)状節理の壁を登っているところ
ゴロゴロ岩の川でまさかの神奈備山型の岩
柱(板)状節理の崖を登るとそこは・・・またゴロゴロ岩の川(苦笑)。しかも神奈備山型をした岩石が道の真ん中でお出迎えです。それにしても、インターネットも通じないし、このまま体力がなくなったらどうしようと、さすがにちょっと不安になってきた。
林業エリア
しばらくして西側に進める地形を見つけたので進んでみると、人の手が入った林に紛れ込んだようです。間引きされているようで、木と木の間隔が保たれています。
インターネット通信回復!
もういい加減疲れたし、飲料水もないし、と思っていたところ、微かに車のエンジン音が遠くに聞こえてきたので、あわててスマホを見てみると、インターネット通信が回復してるじゃあないですか。GPSで自分の位置を確かめると、六方の滝から西寄りに北上してきたつもりが、まさかの南下していたというよくわからない結果に啞然。でもともかく何でもいいからこれで県道に出れそう。
県道からの眺め
県道からの眺め 初島と伊豆大島
なんとか県道に出ると、そこには伊豆半島・伊豆諸島を見渡せる絶景が待ち受けていました。しかもこのあともう道に迷うことはないという安心感で感動もひとしお。ハイキングコースが舗装された道だったりしたとき、不便でもいいから土の道を歩かせろやコラ!と、オラついていた時期もありましたが、今はとにかく人工物の有り難さが身に沁みる。
県道沿いの壁面 自然?人工?
バス停天照山
県道・椿ラインを進むとようやくバス停天照山に到着。ちなみにこの路線、もう廃線なんです。それなのに標識が片付けられていないのは、怠慢か、それともいづれまた復活する予定でもあるのか、どちらでしょう。ここから天照山神社境内です。
天照山ハイキングコース
白雲の滝
しばらくして白雲の滝。この日は何といっても、六方の滝を見てきたばかりなので、今さらちょっとやそっとの滝じゃ心が動かされないと思っていましたが、いざ目の前にしてみると、なかなかの滝です。意外に落差があるんですよ。
天照山ハイキングコース 人工物って有難い(笑)
天照山神社
以前、紅葉の時期に天照山神社に訪れましたが、下から来てここで引き返したので、今日、天照山神社を制覇したことになります。
天照山ハイキングコース
人口の滝
天照山神社入口の案内板
天照山神社を出ると、奥湯河原の旅館が立ち並ぶエリア。今まさに本当の湯河原の「奥」地に行ってきた自分からすれば、ここは全然「奥」湯河原ではありません。
奥湯河原
五段の滝
県道を進み不動滝を目指すと、五段の滝。そして不動滝が近づくと、なんと、周辺は湯けむりだらけ。湯けむりフェチ♡歓喜エリアです。
不動滝周辺の湯けむり
不動滝周辺の湯けむり しかも横穴式!
不動滝周辺の湯けむり
不動滝周辺の湯けむり
不動滝入口
不動滝は、甘酒・ぜんざいなどを扱う和スイーツのカフェと神社がセットになっています。この日は凄い滝ばかり見てきてしまったこともあってか、不動滝自体には特筆すべき感想はありませんでしたが、全体としてはなかなか面白い場所だと思います。
不動滝
不動滝・巳我和利不動尊
不動滝・出世不動尊
不動滝境内
不動滝境内
実は不動滝に訪れたかった最大の理由は、湯河原沸石という鉱石が採れると聞いたからなんです。しかし、「もう採り尽くされて今はない」と現地案内板にありました。但しカフェでその湯河原沸石を見せてもらうことができました。
湯河原沸石
んん・・・個人的な感想としては、これが山に落ちていたら持って帰るかどうかは微妙です。少なくとも目を惹くものではないと思ってしまいました。申し訳ありませんが鉱石の種類もよくわかっていない素人意見です。
藤木川とさりげなく湯けむり
それでは、湯河原秘境ハイキングに付き合ってもらってありがとうございます。このあと万葉公園にも寄ろうと思っていましたが、あの秘境エリアで体力を思う存分使い果たしてしまったので、もうホテルに戻ろうと思います。今日も楽しかった。

あとがき


鎌倉の山で遺跡を探すため、ハイキングコースを外れ、道のない場所をよく歩いていました。がしかし、その「ハイキングコースがなくとも地図上で数百メートル程度の距離だから行けるだろう」という考えは、山の中ではとても安易で危険な考えだということが今回わかりました。

その考えが通じるのは鎌倉にある標高200mレベルの低山まででしょう。たかが数百メートルといっても、直線距離で歩ける訳ではないし、また川や絶壁などの障害を回避し地形を選んで歩く訳ですから、実際に歩く距離は地図上で計測した距離の倍×倍×・・となってしまいます。頭の中ではわかっていたものの、今回身をもって体験することができました。しかも電波の無いエリアで不測の事態が起きたらどうするのかという問題もありますね。

但し、この日に限っては、ヤマップのアプリを持っている人に出会えたことにより、六方の滝へ行くことができましたし、柱状節理の滝を見たいと強く願ったからか、六方の滝だけでなく柱状節理の川まで見せてもらい、さらには数々の絶景を見ることができました。

修験道の本で学びましたが、「山は母であり、また母であるということは、山は霊魂の原郷とも考えられ、新たな生命の根源であると共に死霊が祖神化する場所」(『なぜ修験道の山は岩石だらけなのか』より引用)である訳ですよ。この日は母なる山の神に引率者を引き合わせてもらい、そして色んな景色を見せてもらいました。道に迷ったときに若干の不安はありましたが、それでもどこか母なる山の神に見守られているような、そんな一日を過ごせたことは確かです。

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