埼玉県比企郡【吉見町】の中央構造線と珪化岩・沸石
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吉見町 |
基本情報
名称 :埼玉県比企郡吉見町所要時間 :東京都心から車で大よそ1時間30分
吉見町の中央構造線
「吉見町に中央構造線が通っているの?」という方は、ここでは詳細な説明が難しいのでこちら『東西日本の地質学的境界【第四話】 関東平野下の地帯配列』をご覧ください。そして下画像は大鹿村中央構造線博物館さんの『中央構造線マップ』から頂きました。![]() |
Google map 吉見町 |

埼玉県比企郡【吉見町】で史跡めぐり
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中央構造線の影響はあるのか
中央構造線というこの神秘的な響き、中央構造線沿い、もしくはその付近において貴重な鉱石が産出する可能性は高くなるのではないかと考えてしまいますよね。結論から言うと、中央構造線の影響は多少なりともあるかもしれませんが、だからといって鉱石が産出しやすいという訳ではなく、中央構造線周辺の特定の条件が重なった地域で鉱石ができやすいと考えるのが妥当なようです。まとめると以下のようになります。地質構造 :大断層により岩石・温度・圧力の変化が大きい
鉱床形成 :熱水やマグマが上昇しやすく、鉱脈ができる可能性あり
実際の産地 :中央構造線“周辺”に銅・金・鉛などの鉱山が点在
結論 :鉱石ができやすい素地はあるが、場所によって大きく異なる
吉見町の鉱物ポテンシャル 【珪化・沸石化】
吉見町は、関東平野の北西端、秩父山地の東縁部に接する位置にあります。つまり、西は古い秩父帯(中生代の堆積岩・変成岩帯)、東は関東平野の第四紀層(比較的新しい堆積物)という、地質の境界付近となります。この境界地帯は、断層や変質帯が多く、鉱物が集まりやすい環境でもあると言えます。チャート・珪質岩・熱水起源の石英脈片・凝灰質砂岩・石灰岩などの混在地層が露出する特徴がみられます。地質帯 ;秩父帯と関東平野の境界部にあたる
主な鉱石 ;チャート、珪質岩、熱水起源の石英脈片
結論 ;混在地層が露出する地質
吉見観音の珪化岩・銅鉱山
吉見町は、上記したように、古生層と中新世堆積岩の境目にあたります。この境界では、プレート運動や地殻変動によって圧力・熱がかかりやすく、変成作用が局所的に起こります。そのため、一部の泥岩・砂岩が弱い熱変成(接触変成)を受けてホルンフェルス化熱水の影響で珪化・沸石化(ゼオライト化)が進行する現象が確認されています。実際にも吉見町では、普通に当たり前のようにその珪化岩が辺りに転がっています。吉見観音・御所周辺に普通に落ちている珪化岩 |
吉見観音・御所周辺に普通に落ちている珪化岩 |
吉見観音 |
高負根彦神社とポンポン山の謎
吉見町にある式内社・高負根彦神社には、磐座と思われる巨大な岩塊があります。現地案内板に「社殿後方の巨石付近の地面を踏むとポンポンと音が鳴るのでポンポン山となった」とあります。神秘的な事象だと話を終わらせればそれまでですが、これは一体どういうことなのでしょう。![]() |
高負根彦神社玉鉾山(ポンポン山) |
高負根彦神社の巨石 |
高負根彦神社のポンポン現象は、地中に空洞(割れ目や風化した層)があって、岩盤が空洞の上で共鳴するために起きる現象です。つまり、地表の硬いチャート質岩盤の下に空洞や風化層が存在し、人が跳ねることで岩盤が振動して空洞内の空気が共鳴する現象です。
高負根彦神社境内の石英脈を伴う珪化岩 |
高負根彦神社境内の石英脈を伴う珪化岩 |
伊波比神社と岩崎神社の謎
次も同じく式内社の伊波比神社ですが、地質というより若干地形の話題になります。伊波比神社では摂社として隣に岩崎神社が祀られていました。伊波比神社は丘陵の崖裾に立地していたので、それであれば、岩崎=(岩の先端)神社の方がこの地に相応しいと現地で感じました。また伊波比は=岩井(岩+井戸)なので、岩の隙間から水が流れ出すようなイメージが涌いてきます。![]() |
国土地理院地図 崖裾の〇印が伊波比神社 地形的には岩崎神社 |
ですから伊波比神社は本当に岩井という水源の地霊であった可能性が高く、一方で岩崎神社も地形に因む地霊として元々この地に鎮座していましたが、伊波比神社の移転によって主座を奪われたのだと考えられます。
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伊波比神社 右の赤い鳥居に岩崎神社 |
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伊波比神社 |
沸石
それでは、こちらは吉見丘陵にある沸石を確認できる露頭です。鉱石マニアの間では知る人ぞ知る有名なポイントのようです。![]() |
珪化岩の露頭 |
ザラメ水晶ならぬザラメ沸石 |
沸石 |
沸石 |
沸石 |
沸石 |
初心者としては水晶との見分け方が難しい部分もありますが、水晶は透明、沸石はやや半透明、もしくは乳白色。また両者の生成過程も異なり、水晶は熱水(マグマ由来の高温流体)から沈殿して結晶化し、高温・高圧環境で形成される高温型の“深成鉱物”。一方で沸石は火山灰やガラス質堆積物が低温の熱水でゆっくり変質してできる低温型の“二次鉱物”となります。
おことわり
何故かネット上で誰一人としてこの場所を特定する情報を公開していません。鉱石マニアの世界で厳しい掟でもあるのでしょうか。念のためこちらでも控えさせていただきます。但し、YAMAPに吉見町のウォーキングコースが数件投稿されているので、そちらでかなりエリアを絞り込めます。そのうえでグーグルマップの航空写真で露頭を確認すれば場所を特定できるはずです。
おことわり
今回の記事はAI(Chatgpt)に現地の画像を何枚も見せ、度重なる対話形式で情報を引き出しました。大きく間違った情報はないと思いますが、念のため本気で鉱石・地質を勉強されている方は、改めて情報の確認をご自身で行ってください。
あとがき
ということで、吉見町のキーワードは珪化岩と沸石です。「地質的にも面白い場所なんですよ」とGPTが言ってました。確かに、珪化岩がそこら辺に落ちてる訳ですからビックリします。地元の人にとっては見慣れたただの石ころなんでしょうけどね。お気に入りの沸石 名は姫前 |
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