タイトルのテキスト
タイトルのテキスト
タイトルのテキスト
タイトルのテキスト

【皆神山熊野出速雄神社】紀元前からの神体山

2025/10/13

神社 長野

t f B! P L

皆神山熊野出速雄神社

皆神山熊野出速雄神社
長野市松代にある皆神山に行ってきました。この山容からも、わかる人にはわかるとおり、そう、これはきっと神体山で古式神社が登場するのではないでしょうか、興奮が隠しきれません。

基本情報

名称    :皆神山熊野出速雄神社
住所    :長野県長野市松代町豊栄
所要時間① :東京駅から長野駅まで北陸新幹線「かがやき」で1時間20分
所要時間② :長野駅からレンタカーで30分

神体山皆神山

皆神山は、約30万年以上前に現れた安山岩質の溶岩ドーム(溶岩円頂丘)です。標高659mで、周囲は8kmに及びます。台形に近い円錐形の山容に加え、他丘陵から独立している様は、まさに神の山ではないでしょうか。
国土地理院地図

玉依比賣命神社と皆神山

皆神山の周辺に式内社の玉依比賣(たまよりひめ)命神社が所在しています。創建は人皇八代孝元天皇十六年とあったので紀元前。そして岩沢・中川と遷り現在地に鎮座したのが寛喜2年(1203)とありました。画像内の〇に玉依比賣命神社が所在しています。そして皆神山の東側の地を前山と云います。つまり玉依比賣命神社に面している側が玄関で正面であることを意味していると思われます。ここで思うのですが、玉依比賣命神社は、遥か古代においてこの皆神山を神とする自然崇拝が原型だったのではないでしょうか。
Google map 皆神山と玉依比賣命神社
長野市教育委員会編『屋地遺跡 II』によれば、皆神山及び周辺で、打石斧・磨石斧・石刃・特殊磨石・土器・石皿・石器など、縄文時代の遺物が発掘されています。画像内の〇はそれら発掘現場の地点をプロットしたものです。
Google map 皆神山と縄文遺跡
山・川・岩など自然そのものを神として崇めた社のない古式神社の時代からあった遥拝所のような場所がこの地にあったことは、皆神山の山容を見れば明らかではないでしょうか。それが玉依比賣命神社の原型だったのではないでしょうか。さらに興味深いのは、玉依比賣命神社の神宝の勾玉が児玉石と呼ばれていることです。石です。まさにこれは石を御神体とする古式神社であった可能性の高い阿夫利神社と共通します。ですから、周辺で雨降山大山と同じく環状列石遺構が存在する可能性も考えられます。
皆神山
完全体ではなく上部が崩れプリンみたいになっているところが可愛い
大山信仰と阿夫利神社

大山信仰と阿夫利神社

大山は、ハイカー初心者向けの山として人気が高く、またケーブルカーが通っているので観光地としても賑わっています。そんな現在の賑わいは、江戸時代から既に 大山詣り として関東一円から多くの人たちが訪れてきた歴史が背景にあります。そしてその歴史を調べていくと、近世というより、いにし...

皆神神社(熊野出速雄神社)

それでは、皆神山山頂にある熊野出速雄神社に向かいます。有難いことに、もしくは味気ないことに、頂部まで車で向かうことが出来ます。

皆神神社由縁
出速雄神社は養老2年(718)の創建と伝えられています。祭神は出速雄命・伊邪那岐命・伊邪那美命・速玉男命・豫母都事解男命。脇座に舒明天皇・古人大兄皇子。境内社の侍従神社は弘治2年(1556)に侍従坊大天狗明王を祀ったとあります。その他境内に祀られる神全てを総称して皆神神社と云います。

熊野三社大権現
中世以降、熊野権現を勧請し、大日如来・阿弥陀如来・弥勒菩薩の三仏を各峯に配置し熊野三社大権現と称しました。北は戸隠山、南は皆神山と、戸隠神社と対になるほど往時は修験道場として栄えていました。

出速雄命
祭神の出速雄(いづはやお)命とは首都圏ではなかなか聞きなれない名前ですが、それもそのはず、信濃の開拓の祖神。建御名方命の子で、信濃の各地を開拓し、農耕や治水を進めたという伝承が残されています。

皆神神社山門
侍従神社
まず「神社なのに山門?」という疑問が生じますが、境内社の侍従神社が明治の神仏分離令までは侍従坊という仏教寺院だったことによる違和感です。さらに面白いのは、この山門(正確には仁王門)入口正面に建つ立派な社殿が熊野出速雄神社かと思いきや、こちらが侍従神社とのこと。熊野出速雄神社は奥隣にあります。なぜ養老2年(718)創建の神社が脇座なのか、違和感が止まりません。さらに背後には御神木のビャクシン、浅間神社・嘉佐八郎社などが祀られています。
熊野出速雄神社
御神木
富士三国第一
嘉佐八郎社
画像には写していませんが、ゴルフ場の名残り、ソーラーパネルなど、周囲は意外にも開発されてしまっていて、建物以外で修験道場だった名残りはほとんど感じられません。往時は戸隠神社と対になるほどの存在だったのに、何があったんでしょうね。
侍従大神入定所
皆神山
皆神山からの景色

世界最古のピラミッド説

皆神山は世界最古のピラミッド、UFOの発着基地などとして、オカルト・都市伝説系の人たちの間で一部話題になっているそうです。現宮司によれば、先々代の宮司が自らそうした触れ込みで喧伝したそうです。また皆神山の中腹には岩戸神社があって、ピラミッドの入り口ではないかと囁かれているそうです。自分で書いていて恥ずかしくなりますが、そういう設定みたいです。
岩戸神社 横穴石室
岩戸神社 古墳
上画像はYouTubeにあったツイ跡! 都市伝説という番組の「長野にある「皆神山=ピラミッド」という都市伝説を徹底ツイ跡!」という回です。上記したピラミッドの入り口とされる部分、この動画を観る限り、これは古墳の横穴石室をそう見立てているのは明らかです。このポイントを見逃してしまったことをとても悔やんでいます。横穴石室に入れるなんてなかなかないですもんね。ということで、これから皆神山に行く方は、この岩戸神社、そして玉依比賣命神社にも寄ることをお勧めします。

あとがき

Google map 皆神山
ということで、もしかしたら雨降山大山のように、縄文の時代から崇拝されていたかもしれない夢のある山、皆神山でした。だからこそ意外に開発されていたことは残念ですが、YAMAPにハイキングコースとして投稿している方がいたので、未だ残されている部分もあるようです。

上画像の一番上が小丸山古墳で、元々神社が鎮座していた場所。こちら北側から頂部まで登れる尾根道があるそうです。そして中央の〇が現在の皆神神社、下の〇が上記した岩戸神社です。車の場合こちら南側から進入します。横穴石室はその途中にあるので、どこか停められる場所を見つけなければならないようです。
まさかの川中島古戦場址
長野駅近くのホテルに戻る途中、ちょうど信号が赤だったこともあり、山の景色が素敵だったので写真を撮りました。しかし偶然ここが川中島の古戦場跡だったことを標識で気付きました。交差点で交通量も多かったのでまさかそんな場所だとは思いもしませんでした。

長野関連記事

【米子大瀑布・米子鉱山】で柱状節理の滝と黄色いダイヤ(自然硫黄)の観察

【米子大瀑布・米子鉱山】で柱状節理の滝と黄色いダイヤ(自然硫黄)の観察

米子大瀑布・米子鉱山 米子大瀑布・米子鉱山 長野県須坂市にある米子大瀑布に行ってきました。1kmに渡る断崖絶壁に落差80mの滝が流れるとんでもないスケールの大自然でハイキングと鉱山跡の見学をしてきました。しかも柱状節理の滝で山岳信仰の山でもあるんです...

【善光寺】一生に一度は善光寺詣り

【善光寺】一生に一度は善光寺詣り

善光寺 善光寺 「一生に一度は善光寺詣り」「遠くとも一度は参れ善光寺」「牛に引かれて善光寺参り」で知られる信濃善光寺に行ってまいりました。善光寺が何故そこまで人を惹きつけるのか、現地に向かい、その魅力を体感してきました...

ブログ内検索

ブログ アーカイブ

お問い合わせ

名前

メール *

メッセージ *

QooQ