タイトルのテキスト
タイトルのテキスト
タイトルのテキスト
タイトルのテキスト

走り湯(温泉洞窟)の縁起と歴史

2019/06/13

走り湯 熱海

t f B! P L

走り湯温泉洞窟



大湯と共に熱海を代表する温泉でもある走り湯は、横穴式源泉というとても希少価値のある存在です。洞窟の中で温泉が湧き出ているんです。そしてそれは伊豆山神社の古名である走湯権現の由来となった歴史的にもとても貴重な史跡となります。

基本情報

名称  :走り湯(温泉洞窟)
住所  :静岡県熱海市伊豆山604−10
駐車場 :なし

公共交通機関:JR「熱海」駅より湯河原方面行きバス「逢初橋」にて下車

走り湯とは〈日本三大古泉〉


走り湯は養老年間(717~724年)に発見された全国唯一の横穴式源泉で、日本三大古泉に数えられています。「山腹から湧き出た湯が海岸へと飛ぶように走り流れ落ちるさまから走り湯と名付けられました。」(現地案内板より)。また伊豆の国名が走り湯の湯出に由来するとも伝えられています。

伊豆山神社境内図

上画像は伊豆山神社境内図です。上の方に赤い龍と白い龍が描かれているのがわかるでしょうか。これは赤白二龍といって走り湯温泉の守護神であり、また走湯権現・伊豆山権現の化身とされています。赤龍が火、白龍が水で、伊豆山(走湯山)の地下で温泉を湧かしていると考えられています。また、その龍神は頭がここ伊豆山にあり、尾が芦ノ湖まで続いているそうです。

いざ!走り湯温泉洞窟へ


走り湯温泉は伊豆山神社参道の最下段ちょっと手前、もしくは厳密に言うと伊豆浜から伊豆山神社に向かって参道を登った16段ぐらいのところにあります。海が目の前で、温泉宿などが近くにあります。

走り湯より少しだけ高い位置から眺めた伊豆浜

付近には走り湯神社が祀られていて、奥に行くとその走り湯温泉洞窟があります。洞窟内では70°の温泉が毎分100L流れているとのことなので、手前にある看板が厳重に注意を促しています。

走り湯神社
走り湯
走り湯

入った途端に”もあっ”ときます。ほぼサウナです。洞窟内上部に綿アメのような白い物体が写っていると思いますが蒸気ですよ。5mぐらい奥に進むと”ぼこっぼこっ”と地下から温泉が湧いてくる箇所があります。とにかく蒸気が凄くてスチームサウナとかミストサウナの比ではありません。ほぼ視界ゼロ、そして我慢しきれないほどの暑さにあまり詳細な見学ができません。

走り湯
最奥部のぼこっぼこっとしているところ

上画像は最奥部の温泉が湧き出ているところです。何を写しているのかよくわからないと思いますが、とにかくとんでもなく暑そうな感じが伝わると思います。そして出るときにもう一度写してみたのが下画像です。蒸気がレンズに付着して画像がぼやけているのがわかると思います。

走り湯

上記したように、伊豆山の地底にいる龍神の頭がこちらを向いているので、温泉はその龍神の目・鼻・口・耳から湧き出ていると考えられていたそうです。昔の人の自然を崇める考え方が伝わってきて面白いですよね。でもそう言われるとそんな気がしてくるのも確かです。ある意味ただの温泉なのに、とてつもなく神々しく、そして有難い気持ちにさせられます。

走り湯(温泉洞窟)の歴史


現地案内板に「山腹から湧き出た湯が海岸へと飛ぶように走り流れ落ちるさまから走り湯と名付けられました。」とありましたが、いまいちピンときません。そこでこちら下画像は宝暦八年(1758)の年号が記された『熱海之絵図』に描かれた走り湯です。これでようやくその由来が納得できますよね、少なくとも18世紀の江戸時代まではホントに海に向かって源泉が流れ落ちていたようです。

『熱海之絵図』

またこの絵図から当時あった伊豆山神社の12の僧坊が確認されています。走り湯の近くにも「下ノ宮」「東大門跡」「南大門跡」などの史跡・旧跡が描かれています。往時の勢いを偲ばせるようです。なかでもお堂らしき建物に「役行者」と記されたものがみえます。現在の伊豆山神社境内にある末社・役の小角社が元々はここにあったのかもしれません。役行者は本名を役小角といい、7~8世紀に実在した人物で、修験道の開祖として多くの修験者たちから崇められていました。

伊豆山神社の役行者像を祀る役小角社
伊豆山神社の修験者たちに崇められた白山神社

走湯山は修験道の山でもあるため最盛期には多くの修験者たちがこの地を目指していました。昔は、走り湯は神湯としても信仰され、走り湯にある潔斎所にて身を清めてから伊豆山神社に参拝していたそうです。絵図にある走り湯の近くに何か建物がいくつか確認できます。もしかしたらそれがその潔斎所なのかもしれません。ですから伊豆山神社の正式な参拝方法として、ここ走り湯に訪れ身を清めてから参道を登るべきかなのかもしれません、手水舎感覚的に。でもあの洞窟の湯で手を洗ったら火傷してしまいますけどね。

伊豆山神社に参拝しませう


それでは、伊豆山神社の正式な参拝方法がわかったところで、走り湯温泉洞窟で身を清めたら873段ある参道を登って伊豆山神社にお参りしましょう。ちなみに走り湯温泉がある地点で16段も登っているので、あと残りたった857段です。

伊豆山神社参道
伊豆山神社参道

関連記事

873段・比高差153m・伊豆山神社参道

873段・比高差153m・伊豆山神社参道

伊豆山神社の参道は、上記したように873段から成り、距離にして大よそ618m、そしてヤマレコによれば、伊豆山神社本殿のある場所が標高153.4mとのことなので、参道最下段がほぼ海岸と同じ高さの海抜ゼロメートルであるため、比高差もそのまま大よそ153mと...

熱海七湯めぐり【所要時間と各温泉の歴史】〈マップ付き〉

熱海七湯めぐり【所要時間と各温泉の歴史】〈マップ付き〉

熱海七湯めぐり 熱海七湯とは、大正時代まで熱海に自噴していた源泉を熱海市がモニュメントとして整備・復元したものです。そこでこの記事ではこれら熱海市街地に散りばめられた熱海七湯を効率的にめぐるコースを設定してみました。こちらで大よその見当が...

熱海・糸川のブーケンビリアのみち・史跡みち

熱海・糸川のブーケンビリアのみち・史跡みち

遊歩道が設置された川沿いにキレイな花が咲いていたので、そのまま川沿いの道を歩いていくと、お寺や神社に、熱海七湯に数えられる源泉跡まで現れてきました。「ナニここ?」とスマホで確認してみると、この道沿いの川が来宮神社に流れていた糸川だということ...

錦ヶ浦と観音窟

錦ヶ浦と観音窟

熱海にある錦ヶ浦という場所には、観音窟と呼ばれる洞窟があります。元禄十五年(1702)の『豆州熱海地誌』にこの洞窟に関する記述が残されています。以下要約します。その昔、鈴木顕峰は松平甲牧と共に部下31人を連れてこの洞窟に入りました。まもなくして深...

熱海梅園の紅葉+ライトアップ

熱海梅園の紅葉+ライトアップ

熱海梅園は史跡ではあありませんが、熱海では有数の観光名所として知られています。しかも明治19年(1886)の開園ということで、公園としては意外と歴史が古いんです。またその名のとおり、梅園として名を馳せており、熱海の梅は日本で最も早咲きといわれてい...

ブログ内検索

ブログ アーカイブ

お問い合わせ

名前

メール *

メッセージ *

QooQ