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西伊豆ジオパーク史跡めぐり

2019/11/28

ジオパーク 西伊豆

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〈西伊豆〉ジオパーク史跡めぐり


西伊豆ジオパーク史跡めぐり

伊豆ジオパーク


火山半島とも称される伊豆半島は、長い海底火山の時代を経て、半島全体が隆起し、その後の浸食により現在の姿になりました。地下ではマグマに熱せられた地下水が周りの岩石と化学反応を起こし、熱水に溶け込んだ金属などが岩石の隙間に沈殿し、金・銀・銅・鉄などの鉱石資源を生み出しました。今回訪れた西伊豆の地域では、特にその火山によってもたらされた鉱石や景観に関する魅惑の歴史と史跡が散りばめられています。

西伊豆ジオパーク史跡

ということで、今回はジオパークをテーマに西伊豆へ行ってきました。土肥金山・安楽寺・龕附天正金鉱・土肥達磨寺・黄金崎公園・沢田公園(白岩山岩壁窟画)・室岩洞・烏帽子山(雲見浅間神社)など、魅惑の史跡が盛沢山でした。


今回はさすがに場所が場所なので電車が通っていません。だからといって東京からこの距離を車で行くのも疲れるので、①品川から新幹線で②三嶋駅へ、そして三嶋から駿豆線で③修善寺に向かい、そこからレンタカーで西伊豆に訪れました。

Google map
①品川駅 ②三嶋駅 ③修善寺駅 ④土肥

グーグルマップのタイムラインによれば、品川~三嶋間が104km、三嶋~修善寺間が19.8km、修善寺~土肥までが21.2kmとのことなので、なんと、最初に訪れた④土肥金山まで145kmもの移動距離となりました。今年に入って熱海に何度か訪れているので、若干親近感もある伊豆半島ですが、やっぱり西伊豆まで来るとそうもいかないようです。でもわざわざ来た甲斐のある面白い史跡ばかりだったので移動の苦労も吹き飛びました。

車からの西伊豆の景色

全体的にボリュームがあるため、それぞれの史跡の詳細記事は後ほどということで、この記事ではひとまず今回の2日間の行程をダイジェストでお送りいたします。

土肥金山


まずは土肥金山。全盛期では佐渡金山に次ぐ産出量だったとのことです。跡地は観光施設として整備され、坑道内を安全に見学できるようになっています。また人形などで当時の様子が再現されており、土肥金山の歴史を学ぶことができます。その他、砂金採りなどの体験ができたりもしますが、なんといっても、個人的には350mもの地下空間をさまよえることがたまらなく魅力的でした。

土肥金山
土肥金山資料館にある世界一の金塊

土肥金山

土肥金山

土肥金山オフィシャルHPによれば、伊豆市土肥の周辺では、足利幕府時代の1370年代に既に金銀の採掘が始まっていたとありました。ここ土肥金山の発見がいつだったのかは定かではありませんが、天正五年(1577)に市川喜三郎が周辺で本格的な金山開発に着手したと...

安楽寺の鉱(まぶ)湯


同じく土肥にある安楽寺にも坑道が残されています。こちらでは金鉱の他、まぶ湯と呼ばれる温泉が湧いています。また山門前にある樹齢千年のクスも大迫力でした。金鉱と温泉のあるお寺ってなかなかないですよね。

安楽寺の坑道とまぶ湯

安楽寺の鉱(まぶ)湯と千年クス

安楽寺の鉱(まぶ)湯と千年クス

土肥金山のゴールドラッシュによって、江戸時代の土肥には奉行所武家屋敷・坑夫長屋勝場・床屋などの金山関連の建物をはじめ、商家・旅籠などの町屋が形成され、多くの商人や職人で賑わっていました。安楽寺周辺にはその名残の如く、往時では所狭しと商家などの軒が...

龕附天正金鉱


龕附天正金鉱は、戦国時代、つまり伊豆が後北条氏の支配下にあったときから開発されていたとされる金鉱脈です。土肥金山とはまた異なり、荒々しい手掘りの坑道を間近で見学することができました。金鉱石がこれほど美しいものなのかとちょっと感動しました。

天正金鉱

龕附天正金鉱

龕附天正金鉱

龕附天正金鉱は、後北条氏時代の天正五年(1577)に掘り進められた坑道跡です。土肥金山での説明では、後北条氏家臣の富永三郎左右衛門政家の配下で市川喜三郎がここ土肥周辺の金山を開発していたとありました。一方で既に武田金堀衆が天正金鉱の原型を開発していたと...

土肥達磨寺


達磨寺はジオパーク史跡ではありませんが面白そうなので寄ってみました。こちらはその名のとおり、達磨が祀られています。本堂にある高さ5m・重さ3tもの達磨大使坐像が目玉です。もちろん現代の作品ですが、とても立派で存在感のある仏像でした。逆に、歴史的ブランドも何もない仏像にこれだけ惹かれてしまうのもなかなかの魅力だと思いました。

土肥達磨寺

黄金崎公園


こちらもその名のとおり、辺り一帯が黄金色に見える岩石となっていることから黄金崎と呼ばれています。これらは火山活動による地熱や温泉水によってこのように変色した結果です。ガラスの原料となる珪石が近くで採れるそうです。公園として整備されていて、ちょっとした散策や海岸からの絶景を望めたりします。

黄金崎公園
黄金崎公園

伊豆長岡


一日目の西伊豆ドライブを終え、この日は伊豆長岡へ。以前に伊豆の国市にある源頼朝や北条氏の史跡を二泊三日で訪れました。そのとき伊豆長岡に泊まっていたので、今回もせっかくなので伊豆長岡に宿をとりました。あやめ御前の供養塔がある西琳寺・湯屋神社・北条時頼の最明寺などに再訪しました。

湯屋神社の石切り場跡

なんと、湯屋神社に隣接していた石切り場跡がきれいに整備されて見学できるようになっていました。以前に訪れたときは車が棄てられていたほどの荒廃ぶりだったのでビックリ。しかもソファが置いてあったりしたので、たぶん、近くのホテルが管理しているのかもしれません。

富士山


伊豆ですから、色んな場所から富士山を望むことができました。そしてちょっと疑問に思ったのが、いつも見る富士山と違って雪が積もっていないのは何故なのかという点です。11月も終わりだというのに雪が溶けたのでしょうか、ちょっとこのあたりよくわかりません。

伊豆長岡から当たり前のように見える富士山
松崎町の海岸線から眺めた富士山

烏帽子山(雲見浅間神社)


さて、二日目は昨日よりさらに南下し、まずは松崎町雲見にある烏帽子山にハイキングをするため訪れました。ホンモノを目の前にして「これ登れるの?」という疑問がわいてきますが、これがなんと、登れました(笑)。しかもこの山は火山の根と呼ばれるマグマの通り道が隆起してできた山なんです。凄くないですか。雲見浅間神社が祀られている頂部からの景色が絶景です。

烏帽子山

烏帽子山(雲見浅間神社)ハイキング

烏帽子山(雲見浅間神社)ハイキング

烏帽子山と呼ばれるこの尖った山、にゃんと、なんと登れるんです。しかもこの山、学術的に火山の根といって、マグマの通り道だったところが隆起したものなんです。これは絶対に行ってみたい!と一目惚れしてしまいました。標高162mの烏帽子山は、上記したように...

室岩洞


次は室岩洞という石切り場跡に向かいました。石切り場も色々とこれまでに訪れましたが、鋸山は別格として、これだけの巨大な地下空間を有する石切り場は個人的に初めてでした。しかもライトをつけてくれていたり、説明版があったりと、意外に整備されています。とても楽しめました。

室岩洞

室岩洞の巨大地下空間

室岩洞の巨大地下空間

伊豆石を切り出していた石切り場跡は、その後に整備され、魅惑の地下空間として再生されました。石切り場跡と言えばそれまでですが、この別世界感はその辺りでは味わえないでしょう。伊豆石はやわらかく加工しやすく耐火性にも優れた石材として、昭和の初め頃まで...

沢田公園


次は沢田公園といってこちらも伊豆半島ジオパークに数えられる史跡です。こちらに白岩山岩壁窟画という”やぐら”のような岩屋に壁画が残されているということなので訪れてみました。室町時代のものなんだそうですが、室町時代の墨がこれほど鮮明に残るものでしょうか、ちょっと疑問が残る史跡でした。

白岩山岩壁窟画

沢田公園からは海岸線の絶景を望めます。また火山半島ならではの興味深い岩石が色々と転がっていました。

沢田公園からの景色
沢田公園の色々と怪しい色をした岩石

ということで、西伊豆ジオパーク史跡ダイジェストでした。最後まで見ていただいた皆さま、ありがとうございます。

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