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熱海・多賀 頼朝ライン・ウォーキングコース

2019/10/02

ハイキングコース 源頼朝 熱海

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熱海・多賀 頼朝ライン・ウォーキングコース


熱海・多賀 頼朝ライン・ウォーキングコース

今回は、熱海市にある多賀という場所から、伊豆~鎌倉間を結ぶ鎌倉古道ルートとも云われる通称・頼朝ラインを歩き、頼朝の一杯水という史跡、熱海城、そして錦ヶ浦に寄って、最後は今宮神社まで歩いたという記録です。グーグルマップのタイムラインによれば、大よそ10kmの行程、そして標高の最高地点が、地理院地図によれば、大よそ320mとのこと。結構壮大な道のりでしたが、常に伊豆大島や初島の見える景色を眺めながら歩けたのが感動的でした。

Google map 熱海
①多賀神社 ②頼朝の一杯水 ③熱海城 ④錦ヶ浦 ⑤和田八幡神社 ⑥今宮神社

当初は頼朝ラインを伝って熱海市街地に戻るつもりでしたが、飲料水が手に入らないという事情により、頼朝ラインを途中で諦め、錦ヶ浦経由で戻りました。したがって昨日の、というか前回の記事『錦ヶ浦と観音窟』と行程が一部カブるので、その部分は割愛致しました。

多賀神社


この日は既に前乗りで熱海にて宿泊。多賀神社に行きたいと思い、バスで向かうことにしました。海岸線沿いの道を行く素敵なルートでした。

熱海の親水公園から

多賀に到着。うわ~凄い田舎!(笑)。素敵!

バス停宮脇からの景色


バス停宮脇で降りると目の前が多賀神社。この宮脇の宮は多賀神社を指していることは明白でしょう。脇というよりモロに目の前です。宮前としたほうがしっくりくる思いました。楠の木をはじめ立派な大木がいくつかあります。まるで来宮神社の系列みたいに。

多賀神社
多賀神社の楠の木


こちらでは古代祭祀場跡が発見されており、その磐座が境内に安置されています。でもコレ、普通に道端に落ちていてもわかりませんね。

磐座


そして近くに向山と呼ばれる山があるとのことですが、辺りを見回すと・・・ありました!神奈備山といっていいほど整った山容をしています。この山で間違いないでしょう。全国にある神奈備山と呼ばれる山の麓では、古代祭祀場跡が見つかることが多いので、この向山、遥拝のための霊山だったのでしょう。

多賀神社から眺めた向山
「神奈備山型だ~!」


ひとまず海が近いので海岸に出てみると、なんと、距離を置くと先ほどの向山が神奈備山であることが鮮明に伝わってくるではありませんか、素晴らしい。

海岸から眺めた向山
「もうぜったい神奈備山ですやん」

ここで思いましたが、多賀神社の社殿の位置と方向がいまいち向山とマッチしていないので、多賀神社は祭祀場跡とは関係ない、もしくは後世にて場所・位置・方向を変えられたなどの可能性が考えられるでしょう。それにしても、神奈備山+古代祭祀場跡という黄金セットに萌えます。房総の莫越山神社以来です。

頼朝ライン


多賀神社に戻って現地案内板を見ると、頼朝の一杯水なる史跡がここから3kmぐらいの近さにあることがわかりました。しかも、その史跡に至る道のりは、頼朝ラインといって、伊豆時代の頼朝さんが使っていた道なんだそうです。壮大なウォーキングコースになりそうですが、行ってみようと思います。

頼朝ライン


周辺は山に囲まれた素敵な田舎の風景。ここで改めて思いましたが、やっぱり道のりが壮大過ぎるかもしれません。また機会を改めて車で来たときにでも行きましょうかと、自分に問いかけつつも、何故か足が進みます。ものすごい田舎町ですが、そこがとても心地良さを感じさせてくれるからかもしれません。

頼朝ライン
多賀の景色

ちょうどJR伊東線が通る上に来ました。湾の向こう側を網代といいます。地理院地図に網代漁港、グーグルマップに高浜海水浴場などとありましたが、このあと訪れる頼朝の一杯水の案内版に多賀湾とあったので、ここでは多賀湾と呼称します。それにしても何気ない景色がいちいち素敵。

頼朝ラインから


しばらく歩いて振り返ると、多賀湾から遠く離れ、標高も高くなってきたのがわかりました。何気ない坂道だけど素敵な景色です。

頼朝ラインから振り返ったところ

分岐点に来ました。右に行くとスカイラインで修善寺に行けるようです。車ならね(笑)。

分岐点


頼朝の一杯水もそろそろのはずなので、標高は300mぐらいになるでしょう。でも家が結構あります。ここに住んでいる人たちの職場はどこなのでしょう。もしくは別荘ですかね。そもそも余計なお世話ですね。

頼朝ライン沿いにある家々

頼朝の一杯水


ようやく頼朝の一杯水の案内版がある場所に到着。どこにあるのかと旧態地形を登って行くと、景色が望めました。

頼朝の一杯水近辺

すご~い!こんな高い場所まで来ました。コレ、序盤に眺めていた多賀湾ですよ。

頼朝の一杯水からの景色
頼朝の一杯水からの景色ズーム


見晴らしのある場所から少し歩くとありました、頼朝の一杯水。こちらはですね、頼朝さんが伊豆時代、伊東祐親の娘・八重姫との間に子供(千鶴丸)までもうけて幸せに暮らしていたある日、京から帰郷した祐親がこれを知り激怒、千鶴丸を川に流して殺し、頼朝さえも殺そうと追手を差し向けてきました。命からがら逃げてきた頼朝さんは、この辺りで飲み水が欲しくなり、探してはみたものの見つからず、ガッカリ腰を下ろしたところに刀の鐺が土に当り、水が湧き出てきたということです。祠には千鶴地蔵が祀られているそうです。

頼朝の一杯水

熱海市史によれば、同じく千鶴丸の悲話を語る史跡は、赤根崎の龍神祠や宝泉寺などにもあるそうです。そもそも頼朝ラインが設置された丘陵の尾根道小径は、修験者や修行僧の通り道でもあったので、彼らの道に、こうして頼朝の伝承が付加されていったのかもしれません。

怪しい腰曲輪状態の地形

一杯水付近に怪しい地形を確認することができます。昔の尾根道ですかね。探検したいのはやまやまですが、ここからまたどのような道のりになるのかわからないので、体力温存のため、ちょっと遠慮しておきます。

頼朝ライン分岐点


さて、頼朝の一杯水が最高地点なので、ここまで来たらあとは下り坂です。木々の隙間から何やら凄い景色が見え隠れします。早く気色が開けるところに出ないかと、足取りも軽くなります。

頼朝ライン
木々の隙間から見えた熱海市街地

分岐点に到着。頼朝ラインを行きたいところですが、実は今、いろはす500mlしか持っていません。しかもほぼ飲み干しました。さらに残念なことに、自販機を先ほどから探していますが見つかりません。そしてグーグルマップを眺めると、このまま頼朝ライン沿いには何も見当たりませんが、錦ヶ浦方面に行けば、いくつか商業施設を確認できるので、飲料水確保のため、昨日訪れた錦ヶ浦方面に向かうことにしました。残念ですが、頼朝ラインはまた機会があればということで。それにしても、まさか自分も頼朝の一杯水状態になるとは思いませんでした。

分岐点

分岐点を錦ヶ浦方面に少し行くと、素晴らしく景色が開けました!多賀湾、伊豆大島、初島など色々と見渡せます。この景色を眺めながらしばらく歩けるようです。車で来たら景色に見とれて事故りそう。

景色が開ける瞬間
多賀・伊東方面

まさかの熱海城


熱海城が現れました(笑)。スマホでグーグルマップをチラチラ見ながら歩いていたので、熱海城の近くを通ることはわかっていましたが、こういう感じで視界に入るとは思いませんでした。ちょっとビックリ。でもこれでようやく飲料水を確保できます。

まさかの熱海城

ちなみに熱海城は史跡でもなんでもありません。観光施設です。天守閣内にある施設に入るにはお金がかかりますが、敷地に入るだけならタダです。そしてなんといっても、自販機で水を買ってる場合じゃないぐらいの展望が広がっていました。

熱海城からの熱海市街地

熱海市街地をこれほど良好なポジションで眺められるところはないでしょう、しかも春にハイキングで行った日金山・岩戸山・伊豆山を全て見渡せます。そしてこちら下画像は出発点の多賀湾・伊東方面の景色。どちらを向いても絶景!

熱海城からの網代湾・伊東方面

錦ヶ浦


それでは、熱海城からの景色を堪能できたし、喉の渇きも潤せたので、熱海市街地に戻ろうと思います。熱海城のある丘陵から下りると、ちょうど昨日訪れた錦ヶ浦となります。花の妖精というレストランから昨日の自分がいた展望台が見えます。こうなってたのかと、今さら錦ヶ浦の地理がつかめました。

ホテルニューアカオの展望台

バラが咲いています。バラって9月でも咲いているんですね。それから錦ヶ浦の崖に野生の彼岸花が。

花の妖精のバラ
錦ヶ浦の崖にあった野生の彼岸花
※錦ヶ浦周辺の詳しい記事はこちら『錦ヶ浦と観音窟

今宮神社


熱海市街地に戻り、ランチ休憩をしたところ、疲れもどこへやら、未だどこかに行ける感じがしたので、今宮神社に向かいました。そんなに遠くないと思っても、そこはやっぱり熱海、必ず坂道を行くことになります。

今宮神社に向かう道から振り返ったところ

今宮神社が近づいてきました。この辺りを小嵐というそうです。熱海は川がいちいちキレイ。たぶんコレ和田川でしょうかね。

小嵐

今宮神社に到着。小じんまりとした神社ですが、凄い、ここにも楠の木の大木があります。多賀神社と同じ、そしてなんといっても来宮神社と同じです。もしかしたら熱海にある神社は全て来宮神社系列なのかと思えてきます。

今宮神社
今宮神社楠の木

今宮神社の近くに神奈備山にも見えなくもない山があります。多賀神社のように、古代祭祀場跡とセットであってほしいと思って辺りを見ているからこそ、そう見えるのかもしれませんけどね。

神奈備山にも見えなくもない今宮神社の近くにあった山

ちなみに、ここにも源頼朝が訪れたとありました。しかも一杯水と同じく、伊東祐親の追手から逃れるため、一杯水からここ今宮神社まで来たそうです。確かに、頼朝ラインをあのまま歩いていれば、ここ今宮神社に到着します。

あとがき


頼朝ラインが伊豆~鎌倉間を往来する古道だったと現地案内板にありましたが、実際に歩いた限り、ちょっと微妙でした。但し、頼朝や北条氏のいた韮山・北条からこちらに向かうとなると、現代人の感覚であれば、下田街道を北上し、三嶋に出てから東に向かうと考えてしまいがちですが、昔の人たちは「山を越えちゃえばいいじゃん」となるので、大よそそのようなルートもあったということだと思います。実際にも、多賀から伊豆の国市方面に山伏峠という場所があります。伊豆の修験者たちの通り道だったようです。

熱海で人気の来宮神社は、ある意味謎も多く、系列神社が西湘から東伊豆に広がっています。今回訪れた多賀神社と今宮神社はその系列ではありませんが、ご覧のとおり、楠の木の大木がある様相は、あたかも来宮神社のようでした。熱海市史に、今宮(いまみや)神社は、新たに他所から来た神を祀る宮、つまり今来(いまき)の宮であるとする説のあることを紹介していました。ちなみに来宮神社も、他所から来た神を祀っているので、神が「来」た宮となります。

熱海で人が多いところベスト3
①熱海駅前 ②来宮神社 ③熱海プリン

熱海関連地図



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